青森県賛歌

青森県賛歌について

青森県賛歌（あおもりけんさんか）は、日本の青森県が制定した県民歌で、1971年に県政100周年を記念して作られました。この歌は、青森県に住む人々や出身者を対象に歌詞が公募され、選ばれたのは北津軽郡板柳町のリンゴ農家で俳人の永沢与助による作品です。その後、著名な詩人サトウハチローが補作を行い、最初の演奏は1971年9月23日に行われました。この歌が「青森県民歌」と呼ばれない理由は、すでに1958年に制定された「青森県民の歌」があるためです。

そのため、青森県賛歌は当時の県政を祝う重要な曲として位置付けられています。歌唱者は立川清登とくにたちカンマーコールで、ビクターレコードからシングル盤が発売されました。歌詞は、青森県の自然や歴史を称賛し、労働の喜びを歌い上げる構成となっています。この歌とともに、県民音頭の「青森りんご音頭」も同日に制定され、地域文化の一部として根付くことになりました。

現在の状況

ところが、青森県賛歌は現在、事実上「封印」状態にあります。2001年、当時の知事・木村守男が新たな「県民の歌」の制定を提唱し、「青い森のメッセージ」が作成されました。この動きによって、青森県賛歌の廃止が検討されましたが、県議会の反発もあり、結局は廃止を回避し、同曲は依然として存続することが決まりました。そのため、青森県の例規集には青森県賛歌の制定に関する告示が現在も掲載されていますが、県勢要覧や県民手帳からは平成12年版を最後に姿を消しており、実質的には存在感が失われています。

青森県賛歌は現代において重要な役割を果たしているものの、秋田県のように他の県民歌と対等に並ぶ状況にはなっていません。例えば、2012年に出版された『全国 都道府県の歌・市の歌』では「青い森のメッセージ」のみが紹介され、「青森県賛歌」は一切触れられていません。

しかし、青森県賛歌は完全に失われたわけではありません。2011年に行われた第66回冬季国体では、開会式において「青森県賛歌」が演奏され、2013年の県民文化祭でもミュージカル『岬のクフィ』に曲目として取り入れられました。さらに、2022年に青森市で行われた青森県スーパーバンドフェスティバルでは、青森県立青森西高等学校吹奏楽部によって演奏され、今なお県民によって愛されていることが示されています。

関連項目

他県の賛歌

青森県を含む他の地域にも、県民歌や県賛歌が存在します。例えば、富山県賛歌は富山県が県民歌とは別に作成した楽曲の総称であり、また、静岡県の「富士よ夢よ友よ」は県歌とは異なる「しずおか賛歌」として制定されています。これらの楽曲はそれぞれの地域の文化や歴史を反映しており、青森県賛歌と同じく地域のアイデンティティを強調しています。

青森県賛歌は、今後も青森県の文化を象徴する重要な存在であり続けるでしょう。

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