青森県道179号泊陸奥横浜停車場線

青森県道179号泊陸奥横浜停車場線



青森県道179号泊陸奥横浜停車場線は、青森県上北郡六ヶ所村から横浜町に至る、総延長〇〇kmの一般県道です。下北半島太平洋側(六ヶ所村)と陸奥湾側(横浜町)を結ぶ役割を担っています。

概要



起点は六ヶ所村泊川原で、国道338号から分岐し南西方向へ進みます。そこから下北半島を横断し、横浜町の道の駅よこはまで国道279号と合流・重複。JR大湊線を立体交差後、横浜町上イタヤノ木で再び分岐し、終点の陸奥横浜駅へと至ります。横浜町上イタヤノ木から横浜町舘ノ後の区間は、国道279号の旧道です。

ただし、道の駅よこはまから町道を直進した場合、約600mで陸奥横浜駅前に到着します。

路線状況の課題



国道338号から分岐して間もなく、未舗装の一車線悪路が続きます。離合困難な上、迂回路もないため、通行には注意が必要です。無名の峠を越え、高見橋を渡った先から二車線の舗装道路となりますが、路線全体の約8割が砂利道であり、地元住民も利用を避けるほどです。

2012年2月には、国道279号が大雪で交通が麻痺し、下北半島の東西交通路の脆弱性が浮き彫りになりました。そのため、六ヶ所村泊地区の住民からは、東北電力東通原子力発電所日本原燃六ヶ所再処理工場に挟まれた地域の避難路として、県道179号の整備を求める声が上がっています。六ヶ所商工会も同様の要望書を村に提出し、村も県への働きかけを継続しています。しかし、現在の六ヶ所村避難計画では、本路線は原子力災害時の避難経路としては想定されていません。

青森県は、未整備区間約10.1kmについて、山間部へのトンネル新設を含む改良ルートの調査を進めています。

路線データ



起点:上北郡六ヶ所村大字泊
終点:陸奥横浜停車場
重複区間:国道279号上北郡横浜町林ノ脇 - 上北郡横浜町上イタヤノ木)
道路施設:馬門橋、高見橋、道の駅よこはま
冬期交通規制:六ヶ所村泊 - 横浜町太郎須田(11月下旬 - 5月下旬)※降雪状況により変更あり

歴史



泊村の交通事情



泊村は下北丘陵が太平洋に面した地形であり、天然の良港に恵まれていましたが、耕地が少なく、食料自給は困難でした。そのため、獲れた魚を野辺地の市に運び、ヒエと物々交換していました。泊村から野辺地へは、下北丘陵を越える必要があり、東通村老部から冷水峠を越えて中野沢村近川へ至る道や、尾駮から室ノ久保を経て有戸に至る道が利用されていました。

冷水峠は比較的早く整備が進み、明治時代から大正時代にかけて改修が行われ、乗合馬車が運行。昭和17年には下北交通バスが開通しました。一方、尾駮-室ノ久保-有戸間は標高の低い峠でしたが、片道八里と不便でした。

老部-泊-尾駮を南北に連絡する道路の整備は遅れ、戦後のモータリゼーションまで、道なき道でした。特に泊地区は、崖や砂浜に阻まれ、陸の孤島と呼ばれていました。しかし、横浜村との関係は深く、山越えの徒歩道で物資の輸送が行われていました。大湊軽便線開通に伴い、停車場への交通路整備が望まれ、泊山道が昭和3年に県道指定されましたが、整備は進まず、物流を支えるには不十分でした。

泊-横浜間の道路整備は、両村の悲願であり、再三にわたり県に請願が出されました。村費で調査や開鑿が行われてきました。

年表



安政7年(1860年):南部藩の地図に、横浜村から泊へ越える道が示される。
明治19年(1886年):横浜から泊へ越える道を踏破した人の手記が残る。
明治28年(1895年):横浜-泊間の道路を有料道路とする構想が提案される。
明治37年(1904年):林道として改修される。
大正2年(1913年):泊山道開鑿費として村費が計上される。
大正3年(1914年):郡道に編入され、改修される。
大正10年(1921年):大湊軽便鉄道 陸奥横浜駅開業。横浜-泊道路完成。
大正12年(1923年):郡道指定解除。県道編入を陳情。横浜村道に指定。
昭和2年(1927年):陸奥横浜駅より県道に通じる道路敷地が寄付される。
昭和3年(1928年):県道指定。
昭和7年(1932年):道路改修の陳情書が提出される。
昭和9年(1934年):停車場-泊港線道路の改良工事が実施される。
昭和28年(1953年):横浜村と泊間に村営バスを通す計画が陳情されるも、実現せず。
昭和36年(1961年):県道認定。
昭和44年(1969年):野辺地-むつ間の道路国道279号に昇格。
昭和57年(1982年):横浜バイパス供用開始。
昭和58年(1983年):旧国道部分が県道179号に指定。

過去の不通・閉塞



2005年7月には、六ヶ所村泊 - 横浜町横浜間が路肩崩落のため約1か月間通行止めとなりました。

地理



交差する道路



国道338号(起点)
国道279号

沿線の施設



日本ホワイトファーム
太郎須田溜池
三保野公園
JR東日本大湊線 第一跨線橋
野辺地警察署 横浜交番
横浜町立横浜小学校
横浜町役場
横浜郵便局
みちのく銀行横浜支店
JR大湊線陸奥横浜駅

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