靖兵隊

靖共隊についての詳細

靖共隊（せいきょうたい）は、幕末に旧幕府軍に属していた組織です。この部隊は、もともとは新選組の一部であった甲陽鎮撫隊から派生しましたが、その結成には多くの背景と経緯が存在します。新選組が甲陽鎮撫隊に改名してから、すぐに戦闘に直面し、板垣退助が指揮する新政府軍に大敗を喫することとなります。これにより、新選組の将校たちは江戸へと撤退しましたが、その後永倉新八や原田左之助などの忠義の士が新たな道を模索します。

結成の経緯

1868年（慶応4年3月）、新選組は甲陽鎮撫隊に改名し戦闘行動を起こしましたが、数時間で撃破されさらに江戸へと帰還しました。その後、永倉と原田は会津藩への参加を提案するものの、近藤勇からの反対を受け、彼らは新選組からの離脱を決意します。近藤の家臣にならないという信念のもと、二人は松前藩の脱藩者たちと連携し、靖兵隊を結成しました。この新組織には、新選組を離れた他の仲間や諸藩の脱藩者が多数集まり、隊員数は100名以上となりました。

軍の編成

靖兵隊の初期の編成は以下の通りです：

• - 隊長: 芳賀宜道
• - 副長: 永倉新八・原田左之助
• - 士官取締: 矢田賢之助
• - 歩兵取締: 林信太郎・前野五郎・中条常八郎・松本喜次郎

このようにして、靖兵隊は歴史的な戦乱の中で自らの立ち位置を確立していきました。

戦歴と転戦

靖兵隊は、和田倉門内にある米田圭次郎隊と合流し、フランス式訓練を行っていました。しかし江戸城の明け渡しが決まった後、彼らは急遽脱出の決断を下します。行軍中に原田が脱隊した後も、隊は新政府軍を突破し、鹿沼宿で旧幕府軍と合流し、数回の戦闘に参加することになります。

特に、宇都宮の戦いでは勝利を収めましたが、その後の壬生の戦いでは敗北し、今市宿に退却。戦闘で負傷者が続出し、その後数日間の休養を余儀なくされました。また、戦局が厳しくなる中、永倉や矢田は命の危険も顧みず、さらなる指令を受けて出陣しますが、矢田が戦死するなど、多くの犠牲を出します。

派遣とその後

6月11日、芳賀宜道と永倉が会津藩へ援軍要請に向かう中、林信太郎と前野五郎が指揮を引き継ぎます。その後、靖兵隊は近藤隼雄が率いる新遊撃隊に編入され、さらなる戦闘を経験しますが、弘道館戦争では水戸藩との連携攻撃にもかかわらず、短期間で敗退し、最終的には高崎藩に降伏する結果を迎えました。

このように、靖共隊の結成から戦歴にかけては、幕末の動乱を象徴する多くの出来事が詰まっています。彼らの歩みは、当時の武士たちが新しい時代にどう立ち向かったのかを物語っています。

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