静岡貨物駅

静岡貨物駅の概要

静岡貨物駅（しずおかかもつえき）は、静岡県静岡市の駿河区池田に位置し、日本貨物鉄道（JR貨物）が運営する貨物駅です。東海道本線の草薙駅と東静岡駅の間に存在するこの駅は、1993年にかつての東静岡駅から移転し、着発線荷役方式（E&S方式）を採用しています。

歴史の変遷

静岡貨物駅の起源は1962年に遡ります。当初は静岡操車場として開設され、1967年には貨物駅として格上げされました。この時、静岡駅から一部の貨物取扱業務が移管され、東静岡駅として正式にオープンしました。1974年には「荷貨一元化」により小荷物の取扱いを開始、その後1978年に廃止され、再び貨物駅としての役割を果たしました。

1984年には貨物ヤードとしての機能が終わり、1987年の国鉄分割民営化に伴い、JR貨物の駅として生まれ変わりました。1993年には静岡操車場跡地に移転し、着発線を使った荷役方式が導入されることで、貨物駅としての新たなスタートを切ることとなりました。またこの年、駅名も静岡貨物駅に改称されました。

駅の構造

静岡貨物駅は、上下本線の内側に全ての側線が分岐する構造をしています。駅事務所などの設備も本線内側に位置しており、着発線として下り線の1番線から4番線、上り線の1番線から3番線が設置されています。特に、内側の下り4番線と上り3番線が着発荷役線として使用されます。コンテナホームは北東部に位置し、450メートルの長さを持つことが特徴です。

この駅の特色として、コンテナホームの南西に10本の仕分線、検修庫や機関車留置線があります。さらに、貨物駅は東海道新幹線の保線基地と地下の連絡線で接続しています。この連絡線は、かつての貨物ホームへと続く引き込み線の名残で、今なお材料の搬入に利用されることがあります。駅舎には営業窓口やメンテナンスステーションがあり、ホームとトラックプールは地下通路で繋がれています。

取扱い貨物と列車

静岡貨物駅では、12ft・20ft・30ftのコンテナ貨物、またISO規格の海上コンテナを扱っています。さらに産業廃棄物や特別管理産業廃棄物の取り扱いも許可されており、多様な貨物輸送を行っています。

2014年のデータによれば、下り便は1日あたり10本、上り便は14本の高速貨物列車が停車し、荷役作業が行われています。行先として、下りは吹田、広島、福岡などがあり、上りは東京や仙台、札幌など多岐にわたります。臨時の専用貨物列車も設定されており、スムーズな輸送体制が整えられています。

利用状況

静岡貨物駅の2021年度の貨物輸送量は、発送が203,484トン、到着が101,225トンとなっており、安定した利用状況が維持されています。特に2007年度以降のトレンドも良好です。

駅周辺の環境

駅周辺にはJR東海の東静岡駅や静岡鉄道の古庄駅があり、交通アクセスも良好です。また、静岡県草薙総合運動場へも近く、国道1号線や県道74号線が利用可能です。映画やテレビドラマのロケ地としても知られ、視覚的な魅力とともに交通の要所としての役割を果たしています。

静岡貨物駅は、歴史と最新の設備を併せ持つ、静岡県内の重要な物流拠点です。

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