非実力派宣言

森高千里『非実力派宣言』

1989年7月25日にリリースされた森高千里の4枚目のアルバム『非実力派宣言』。

前作から約8か月、平成初のオリジナルアルバムとして発表されました。本作は、南沙織のカバー曲であり、シングルとしてもリリースされた「17才」を収録。森高千里自身にとっても大きな転機となり、社会現象を巻き起こすほどの作品となりました。ジャケットに写る衣装からも、その現象を垣間見ることができます。

「17才」は、カーネーションの直枝政太郎が編曲したカーネーションヴァージョンと、斉藤英夫が編曲したオレンジミックスの2つのバージョンが収録されています。

楽曲について

デビュー以来参加している斉藤英夫に加え、本作からシンガーソングライター兼サウンドプロデューサーの高橋諭一、カーネーション、デビューアルバム『NEW SEASON』で作詞を担当したオルケスタ・デ・ラ・ルスのカルロス菅野が参加しています。

アルバムリリースから2か月後には、「だいて」が「だいて (ラスベガス・ヴァージョン)」としてシングルカットされました（カップリングはアルバム収録曲の「若すぎた恋」）。

収録曲詳細

1. 17才（カーネーション・ヴァージョン）
作詞：有馬三恵子、作曲：筒美京平、編曲：直枝政太郎
カーネーションの直枝政太郎が編曲を担当。アコースティックを基調としたアレンジが特徴です。

2. これっきりバイバイ
作曲・編曲：斉藤英夫

3. だいて
作曲・編曲：高橋諭一
後にシングルカットされた楽曲。アルバムバージョンはフェードアウトで終わりますが、シングルバージョンはフェードアウトせずに終わります。

4. 非実力派宣言
作曲・編曲：斉藤英夫
アルバムのタイトル曲であり、テレビCMにも起用されました。

5. 今度私どこか連れていって下さいよ
作曲・編曲：斉藤英夫
後に加藤紀子がカバーし、彼女の歌手デビューシングルとなりました（1992年）。

6. はだかにはならない
作曲・編曲：直枝政太郎
カーネーションの直枝政太郎が作曲・編曲。後にカーネーションが「はだかにはさせない」というタイトルで歌詞を変えセルフカバーしています。

7. 私はおんち
作曲・編曲：高橋諭一
「非実力派宣言」とは対照的な、ひたむきさが伝わる内容で、セルフアンチテーゼとも解釈できます。

8. しりたがり
作曲：森高千里、編曲：カルロス菅野・前嶋康明
森高千里自身が初めて作詞・作曲の両方を手がけた楽曲。ラテンアレンジが施されています。2012年4月からは、フジテレビ系列の情報番組『知りたがり!』のオープニングテーマとして使用されました。

9. 若すぎた恋
作曲・編曲：高橋諭一
シングル「だいて (ラスベガス・ヴァージョン)」のカップリングとしてリカットされました。

10. A君の悲劇
作曲・編曲：斉藤英夫

11. 夜の煙突
作詞・作曲：直枝政太郎、編曲：カーネーション
カーネーションがナゴムレコードから1984年にリリースしたシングル曲のカバー。ビデオクリップにもカーネーションが出演しています。森高千里のライブで盛り上がる曲の一つであり、カーネーションのライブでも定番曲となっています。

12. その後の私（森高コネクション）
作曲・編曲：斉藤英夫
前作『見て』に収録された「おもしろい」に続く森高コネクション。

13. 夢の中のキス
作曲・編曲：高橋諭一
森高千里がデビュー後初めてドラムを叩いた楽曲で、オルガン演奏にも参加しています。

14. 17才（Orange Mix）
作詞：有馬三恵子、作曲：筒美京平、編曲：斉藤英夫
斉藤英夫が編曲を担当。ユーロビートを基調としたアレンジで、曲中に波の音が挿入されたり、間奏に森高千里のセリフが入っています。

『非実力派宣言』は、森高千里の音楽的な多様性と才能を示すとともに、彼女のキャリアにおける重要なターニングポイントとなった作品です。

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