非法人地域

非法人地域とは

非法人地域（ひほうじんちいき、英: unincorporated area）とは、市町村に相当する基礎自治体に属さない地域を指します。これらの地域は、アメリカ合衆[[国]]、カナダ、オーストラリアなどに見られ、より大きな行政区画によって管轄されています。法人化された地域が解散や資格を失った場合も、より上位の行政区画が行政サービスを提供します。アメリカ合衆[[国]]の海外領土における未編入領域は、これとは異なる概念です。

概説

アメリカ合衆[[国]]などでは、基礎自治体は住民の意思によって設立されます。そのため、自治体が設立されない地域が存在し、それが非法人地域となります。これらの地域での警察や消防などの住民サービスは、通常、郡などの上位自治体によって提供されます。基礎自治体が設立された地域は法人地域と呼ばれます。基礎自治体の設立は人口規模と直接的な関係はなく、都市化が進んだ地域でも非法人地域として残ることがあります。

例えば、アメリカ合衆[[国]]バージニア州アーリントン郡は、ワシントンD.C.に隣接し、ペンタゴンやロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港がある都市化地域ですが、郡内には基礎自治体がなく、全体が非法人地域です。これは、バージニア州法により人口密度が高い地域には自治体を設置できないという事情があります。

各国の非法人地域

アメリカ合衆[[国]]

アメリカでは、非法人地域は郡の一部でありながら、どの基礎自治体にも属さない地域を指します。ほとんどの州でホーム・ルールが認められており、郡委員会が非法人地域を管轄します。一部の州では、タウンシップがその役割を担います。非法人地域には、次の2つのタイプがあります。

法人化された地域内のコミュニティ: 例えば、ハイアニスはバーンスタブルという自治体の中の非法人化された村です。
法人化された地域外のコミュニティ: 例えば、ミネソタ州ホブランド、ミシガン州セレスコ、テネシー州ナットブッシュ、アリゾナ州ユッカなどの小規模農村集落です。

非法人地域の分布と性質は州法によって大きく異なります。北東部の7州（ニュージャージー州、ペンシルベニア州、コネチカット州、マサチューセッツ州、ロードアイランド州、ニューハンプシャー州、バーモント州）には基本的に非法人地域は存在しません。これらの州では、全ての土地が何らかの種類の法人化された地域に含まれています。

バージニア州のような「強い郡」モデルを採用する州では、法人化の要件が厳格で、郡が広範な権限を持つため、非法人地域が多くなります。一方で、ニューヨーク州やペンシルベニア州では、基礎自治体と郡の権限をバランスさせる「ハイブリッド」モデルが主流です。また、フロリダ州ジャクソンビルやテネシー州ナッシュビルのように、周辺の非法人地域を併合して市郡を形成している都市もあります。カリフォルニア州では、サンフランシスコを除く全ての郡に非法人地域があり、ロサンゼルス郡では非法人地域の人口が100万人を超えています。

アメリカ合衆[[国]]の島嶼部では、「非法人」とは、その領域が正式に米国に組み込まれていないことを意味します。アメリカ領サモア、プエルトリコ、グアム、アメリカ領ヴァージン諸島、北マリアナ諸島が該当します。

ロシア

ロシアでは、農村人口密度が低い地域に集落間地域という非法人地域が存在します。

その他の国

デンマークには、エアトホルメネ諸島、北東グリーンランド国立公園、チューレ空軍基地の3つの非法人地域があります。フランスには、例外的にいくつかの海外の小規模領地が非法人地域となっています。また、スイス、スロバキアにも例外的な非法人地域があります。

非法人地域のない国

ブラジル、日本、フランス、イギリスなど、国内の全ての地域が法人化されている国もあります。イタリア、エストニア、オーストリア、オランダ、スウェーデン、スロベニア、セルビア、フィンランド、ベルギー、ポーランド、ボスニア・ヘルツェゴビナでも同様です。中国では、全ての土地が基礎自治体に属しています。また、ブラジルやメキシコでは、無人の地域であっても最も近い都市の一部とされます。

日本では、原則として全ての地域が「市」「特別区」「町」「村」のいずれかに属しますが、東京都の鳥島などの例外的な帰属未定地が存在します。

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