面河渓

面河渓（おもごけい）は、愛媛県久万高原町（旧面河村）に位置する、四国山地の雄大な自然に抱かれた渓谷です。仁淀川の上流部、約9.6キロメートルにわたって続くこの渓谷は、その美しさから国の名勝にも指定されています。

渓谷は、標高650メートル付近から始まり、深く切れ込んだV字谷を形成しています。その地形から、急流や深淵、そして滝が連続して見られ、変化に富んだ景観が訪れる人々を魅了します。特に、関門、相思渓、五色河原、亀腹、蓬莱峡、紅葉河原、御来光の滝などの名所は、面河渓を代表する景観として知られています。

面河渓は、紅葉の名所としても有名で、秋には渓谷全体が鮮やかな赤や黄色に染まります。その美しさは格別で、多くの観光客が訪れます。

また、面河渓は石鎚山への裏参道登山口としても知られており、面河山（標高1525m）や愛大石鎚小屋を経由して石鎚山頂へと続く登山道があります。かつては多くの登山客が利用していましたが、石鎚スカイラインの開通以降は利用者が減少しています。

面河渓に通じる愛媛県道12号西条久万線は、「もみじライン」の愛称で親しまれており、ドライブコースとしても人気があります。この道路沿いには、面河渓の美しい景色を眺めることができるスポットが点在しています。

地質的には、面河渓は第三紀に形成された石鎚カルデラの一部であり、周辺には直径7キロメートルにも及ぶ安山岩が分布しています。かつては、石鎚スカイライン建設に伴う落石によって渓谷が埋まるという自然破壊の問題も発生しましたが、現在は自然保護の意識が高まっています。

面河渓は、石鎚国定公園や面河・四国カルスト自然休養林にも指定されており、豊かな自然が保護されています。渓谷内には遊歩道も整備されており、ハイキングや自然観察を楽しむことができます。訪れる際には、自然保護に配慮し、美しい景観を大切にしたいものです。

面河渓の見どころ

関門：渓谷の入口付近に位置する、岩が切り立った場所。
相思渓：渓谷の中でも特に美しいとされる場所で、深淵や滝が見られる。
五色河原：川底の石が五色に見えることから名付けられた場所。
亀腹：亀の腹のように見える岩。
蓬莱峡：奇岩が立ち並ぶ場所。
紅葉河原：紅葉の名所。
御来光の滝：太陽の光が滝に反射して美しく輝く滝。

アクセス

公共交通機関：伊予鉄バス「面河」バス停下車、徒歩
自動車：松山自動車道松山ICから約2時間

その他

面河渓は、石鎚山への登山ルートとしても利用可能
渓谷内には、面河山岳博物館がある
周辺には、キャンプ場や宿泊施設もある

面河渓は、四季折々の美しい自然を満喫できる場所です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体験してみてください。

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