革命的共産主義者同盟再建協議会

革命的共産主義者同盟再建協議会：新左翼の系譜と内紛

革命的共産主義者同盟再建協議会（略称：革共同再建協議会、関西派）は、日本の新左翼運動において重要な位置を占める党派の一つです。2007年、革命的共産主義者同盟全国委員会（中核派）からの分裂を機に結成されました。本稿では、その歴史、イデオロギー、組織運営、そして近年の動向を詳細に解説します。

分裂と結成：中核派内部の対立

革共同再建協議会の成立は、中核派内部における長年にわたる対立と腐敗疑惑に起因します。2006年、関西地方委員会議長による長期間に及ぶ汚職疑惑が表面化。この問題への対応を巡り、関西地区のメンバーを中心に、中央派（党中央派、前進派、安田派）への反発が強まりました。彼らは、中央派が「腐敗し、現代帝国主義の新自由主義攻撃に屈服した」と批判。2007年、「革命的共産主義者同盟全国委員会の再建をめざす全国協議会」を結成し、後に革共同再建協議会と改称しました。

イデオロギーと主張：反帝・反スターリン主義の旗印

革共同再建協議会のイデオロギーは「反帝国主義・反スターリン主義」を掲げ、「世界革命」の実現を目指します。日本社会を「日本帝国主義」と定義し、新自由主義を帝国主義の新たな攻撃と位置づける点は、中核派と共通しています。しかし、日本共産党を「スターリン主義」、革マル派を「反革命カクマル」と批判する点も同様です。

大きな相違点は、組織運営に対する考え方です。中核派の「まず党ありき」の姿勢を「綱領主義」と批判し、非公然組織である革命軍への依存や、第四インターナショナルに対する内ゲバ攻撃を誤りとしています。また、中核派の中央派を「安田派」と呼んで強く批判しています。

組織運営と活動：公然拠点と機関紙

革共同再建協議会の公然拠点となる事務所は、かつて中核派の関西支社事務所として使用されていた大阪府大阪市淀川区に置かれています。機関紙として、「未来」（旧「革共同通信」）と「展望 The Perspective」を発行しています。「未来」は月複数回発行され、時事問題や組織の主張を掲載。季刊誌である「展望 The Perspective」は、より深い分析や論考を掲載する場となっています。

警察白書では「極左暴力集団」とされ、マスコミからは「過激派」と報道されることが多い点が注目されます。関西派関係者による書籍として、『雲と火の柱 - 地下生活者の手記』が知られており、関西革命軍の20年史を小説化した作品とされています。

近年の動向：指導者の交代と組織の変容

2020年7月には、革共同再建協議会議長の椿邦彦（本名：茂木康）が辞任。その後、「未来への協働」を結成し、革共同再建協議会からの分離を表明しました。「未来への協働」はレーニン主義を批判し、自らを「地方的・世代的な条件に規定された、あくまでも過渡的な組織」と位置付けています。新自由主義・グローバリゼーションへの闘争を継続する姿勢を示しています。

対する中核派は、関西派を「塩川一派」「転向スパイ集団」と断罪し、激しい批判を展開しています。分裂から現在まで、両派の間には深い溝が残されたままです。

まとめ：新左翼運動の複雑な歴史の一断面

革共同再建協議会の歴史は、日本の新左翼運動の内紛と複雑な歴史の一端を示しています。イデオロギー、組織運営、そして個人の葛藤が複雑に絡み合い、現在もなおその影響は続いています。今後の動向が注目されます。

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