鞏昌府

鞏昌府の歴史と行政区画の変遷

鞏昌府（きょうしょうふ）は、中国の歴史において興味深い役割を果たした府の一つであり、甘粛省定西市一帯に位置していました。この府は、北宋の時代から始まり、民国成立の初期まで続きました。

設立と初期の変遷

鞏昌府の歴史は1072年（熙寧5年）に遡ります。この年、北宋の政府は秦州古渭寨に通遠軍を設置しました。この通遠軍は、その後1104年（崇寧3年）には鞏州と改称され、当時の秦鳳路に属する行政単位となりました。鞏州は、隴西・寧遠・永寧の3つの県と、定西城や6つの寨を管轄していました。

金朝及びその後の発展

さらに、1142年（皇統2年）には金が登場し、鞏州に通遠軍を再設置しました。この時期、鞏州は臨洮路に属し、隴西・通渭・通西・定西・安西の5つの県を統括し、塩川鎮や4つの寨も管轄下に置かれました。1228年（正大5年）には、鞏州は遂に鞏昌府に昇格し、より重要な地位を確立しました。

元朝・明朝・清朝における変遷

元の時代には、鞏昌府は陝西等処行中書省に属し、隴西・通渭・障・寧遠・伏羌の5県を管轄しました。この時期も、府としての機能を果たしながら、地域の行政を担当していました。明の時代になると、鞏昌府は陝西省に編入され、直属の隴西・安定・会寧・通渭・漳・寧遠・伏羌・西和・成の9つの県と、秦州に関連する秦安・清水・礼の3県、さらに階州および徽州に属する文県と両当県を合わせて、合計で3州14県の広大な地域を管轄しました。

最終的な廃止

清朝の時代においても、鞏昌府は甘粛省に属し、隴西・安定・会寧・通渭・寧遠・伏羌・西和・岷州・洮州庁という1庁1州と7県を引き続き統括しました。これにより、歴史的にも重要な行政単位としての役割が維持されていました。しかし、1913年に中華民国が成立すると、鞏昌府は廃止となり、その歴史に一区切りがつきました。これは、中国の地方行政の変遷における重要な一歩となりました。

鞏昌府の歴史は、中国における地域行政制度の変化を理解する上で、大いに参考になるものであり、その過去を振り返ることで、現代の行政区分や地域の発展の背景が見えてきます。

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