韓 (西周)

韓（かん）

韓は、古代中国の西周時代に存在した都市国家です。その歴史は、紀元前1122年頃から紀元前756年までとされています。

歴史

起源と冊封

韓の祖は、周の武王の子であり、成王の弟である韓叔です。殷周革命の際、韓叔は現在の北京の南方、固安（現在の河北省廊坊市固安県）に封じられました。これが韓の始まりとされています。その後、領地の地名が氏となり、「韓」を名乗るようになりました。

中原への移転

韓は、成王の時代に、韓原（現在の陝西省韓城市から山西省河津市にかけての地域）に移封されました。これにより、韓の拠点は中原へと移り、その後の歴史に大きな影響を与えることになります。

滅亡

紀元前757年または紀元前756年、韓は晋によって滅ぼされました。この滅亡により、韓は歴史の表舞台から姿を消すことになります。

戦国の韓との関係

韓の遺領がその後どうなったかは明確ではありません。晋の公室の直轄領になったのか、あるいは大夫に与えられたのか、詳細な記録は残っていません。しかし、晋の公室の分家である曲沃の桓叔の庶子に韓万（韓武子）がおり、後にこの者が食邑として韓の地を与えられました。この韓万が、戦国時代の韓の起源となります。

史記 韓世家

『史記』韓世家には、韓の先祖は周と同じ姫姓であり、その子孫が晋に仕え、韓原に封じられたと記されています。韓武子の後、三代を経て韓厥が登場し、封姓として韓氏を名乗るようになったとされています。

史記の注釈

『史記』の注釈には、以下のような内容が記されています。

索隠：『左氏伝』には「邘・晋・應・韓は武王の穆である」とあり、韓侯が先滅されたと記されている。しかし、『史記』には韓武子が韓侯の子孫として、晋によって再び韓原に封じられたとある。
正義：『括地志』には、「韓原は同州韓城県の西南八里にあり、韓城は県南十八里にある。韓武子が韓原の故城に食采した」とある。
* 索隠：系本には、「万は賕伯を生み、賕伯は定伯簡を生み、簡は輿を生み、輿は献子厥を生んだ」とある。

まとめ

古代の韓は、周の武王の子孫を祖とする都市国家であり、現在の河北省から陝西省へと拠点を移しました。晋によって滅ぼされた後、その領地の一部は戦国時代の韓の起源となる韓万に与えられました。古代の韓の存在は、後の戦国時代の韓の歴史を理解する上で重要な要素となっています。

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