韓国国立中央図書館

韓国国立中央図書館

韓国国立中央図書館（かんこくこくりつちゅうおうとしょかん）は、大韓民国を代表する国立図書館です。首都ソウル市の瑞草区盤浦洞に広大な敷地を持ち、国内最大規模の蔵書を誇ります。

概要

図書館の公式な起源は1945年10月15日に遡りますが、その礎となったのは朝鮮総督府図書館の蔵書です。現在、収蔵資料は約690万点（2008年8月末時点）に達し、韓国で最も多くの資料を所蔵する図書館としての役割を果たしています。

所蔵資料は多岐にわたり、貴重な古文献や国内で提出された修士以上の学位論文に加え、特殊資料として北朝鮮で発行された文献なども積極的に収集・保管しています。

これらの蔵書の中には、国宝や宝物に指定されている文化財も含まれています。例えば、初期の金属活字である癸未字で印刷され、1402年に刊行された『十七史纂古今通要』は国宝第148号に指定されています。また、1447年刊行の仏教書『釈譜詳節』（宝物第523-1号）や、1613年に完成した朝鮮時代の医学書『東医宝鑑』（宝物第1085号）などの書籍も、国の重要な文化財として登録されています。さらに、1885年に締結された『朝露通商条約』（ソウル市有形文化財第108号）や『朝英通商条約』（ソウル市有形文化財第109号）といった外交文書なども、価値ある資料として収蔵されています。

行政組織上は文化体育観光部に所属しており、韓国におけるISBN（国際標準図書番号）やISSN（国際標準逐次刊行物番号）の管理を担う機関でもあります。また、国内の司書育成のため、司書教育機関も附設しています。

沿革

1945年10月15日 - ソウル市中区小公洞にて国立図書館として開館。
1963年10月28日 - 「国立中央図書館」と改称される。
1965年3月26日 - 図書館資料の納本制度が開始される。
1974年12月2日 - 本館を南山に移転。
1988年5月28日 - 現在地の瑞草区へ本館を移転。
2004年9月15日 - 蔵書数が500万冊を突破。
2006年6月28日 - 分館となる国立子ども青少年図書館が開館。
2006年10月6日 - 図書館に関する法規「図書館法」（法律 第8029号）が公布される。

施設

本館は地上7階、地下1階建ての構造を持ちます。その他に、司書研修館（地上2階、地下1階）や、資料保存館（地上2階、地下4階）といった付属施設があります。

特に注目される施設として、本館5階には北朝鮮関連資料を集中的に収集・提供する北朝鮮資料センターがあります。ここには、書籍、定期刊行物、視聴覚資料など、約9万4000件もの北朝鮮に関する資料が収蔵されています。

また、本館に隣接する形で、国立デジタル図書館が2009年9月に開館しました。この施設は地上5階、地下3階からなり、延床面積は3万8014平方メートルに及ぶ大規模なもので、デジタル化された資料の利用環境を提供しています。

所属機関・分館

国立中央図書館の組織下には、以下の所属機関および分館があります。

国立児童青少年図書館: 2006年に江南区駅三洞に開館した、子どもと青少年向けの資料に特化した分館です。
図書館研究所: 図書館に関する研究を行う機関。
* 国立障害者図書館支援センター: 障害のある利用者のための図書館サービスを支援するセンター。

交通アクセス

ソウル市内の地下鉄を利用する場合、瑞草駅または高速ターミナル駅が最寄りの駅となります。

この図書館は、韓国の知識情報資源の集積地として、学術研究から市民の生涯学習まで、幅広いニーズに応える重要な役割を担っています。

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