韓国鉄道3000系電車

韓国鉄道公社3000系電車

韓国鉄道公社3000系電車は、1996年の一山線開業時に導入された通勤形の直流電車です。この車両は、ソウル特別市の地下鉄公社と接続運行を行うために、1995年末に最初の10両編成が製造され、1996年から1997年にかけてさらに60両が追加されました。合計で16本の編成、つまり160両が運行されてきましたが、2023年から2024年にかけて、古い1次車が2次車および3次車に置き換えられる形で引退が予定されています。

車両の概要

3000系電車はVVVFインバータ制御を採用し、ステンレス製の車体で構成されています。初期のモデルは、ソウル交通公社4000系1次車を基にした設計が採用されており、最高速度は110 km/hとなっています。なお、直流電化の区間のみ走行するため、交流電化には対応していません。

車両の番号は、もともと韓国鉄道公社に在籍していた3000形ディーゼル機関車との番号の重複を避けるために3071から始まりました。そのため、鉄道ファンの間では3070系と呼ばれることが多かったですが、製造が進むにつれこの呼称はほぼ使われなくなりました。全車両の検査は、ソウル交通公社に委託されています。

配属先

全ての3000系電車は、ソウル交通公社の紙杻車両事業所に配属されており、韓国鉄道では首都圏の電鉄の車両形式変更が行われている中で、本系列はソウル交通公社に管理を委託しているため、形式変更の対象外となっています。

車両の種類

1次車

1次車は371編成から386編成までの編成で構成されており、主に日本の三菱電機製のインバータ装置を採用しています。車両の設計や仕様は、ソウル交通公社新4000系1次車に似ており、おもに平坦な前面デザインを採用しています。最初は赤と青の帯が描かれていましたが、現在は路線の色に合わせた橙色と青色に変更されています。老朽化が進行中で、2024年には全車両が引退する見通しです。

2次車

現代ロテムによって製造された2次車は387編成から394編成までを占めており、前面がとても長いという特徴があります。これは「クチバシ」や「チュドゥンイ」といった愛称で呼ばれています。また、視認性を向上させるために、先頭車両には7色のLED表示器が搭載されています。交直両用車への改造準備工事も行われており、運行開始は2023年に予定されていましたが、実際には遅延が生じています。

3次車

3次車は395編成から399編成、368編成から370編成で構成され、宇進産電によって製造されました。平坦な前面デザインが特徴のこの車両は「キューブ」と呼ばれ、第5世代に分類されます。直流電化区間専用に設計されている一方で、将来的な改造に備えた準備工事も進められています。

改造工事

韓国では、2003年に発生した大邱地下鉄放火事件を受けて、2005年から2006年にかけて内装材を不燃材に交換する改造が実施されました。これに加え、方向幕や列車番号の表示もLED方式に改良されました。また、2007年には自動放送装置の音源も更新され、より高品質な音声になっています。

今後の展望

2024年には、1次車の全てが新たな2次車及び3次車に置き換えられる予定です。これに伴って、運行の安定性や安全性が一層向上し、通勤形電車としての新たな時代が開かれることが期待されています。

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