韓国鉄道8000形電気機関車

8000形電気機関車について

8000形電気機関車は韓国鉄道公社が運用している電気機関車の一形式であり、1970年代に運用が開始されました。この機関車は、中央線、嶺東線、太白線などの産業用線の電化に向けて輸入されたもので、旅客列車や貨物列車の運行に広く使用されました。しかし、8200形電気機関車の投入に伴い、主に貨物用としての運用が中心となっています。

8000形の初期型は1972年から1975年にかけて66両が輸入され、その後1976年から1977年には中期型が24両追加されました。さらに1986年以降に製造された後期型4両は韓国国内で生産され、外装の側面には送風口が位置する高さに変化が見られます。

この機関車の導入に関しては、フランスのアルストムを幹事とする国際コンソーシアムが関与しており、GEC、MTE、ACEC、AEG、ブラウン・ボベリ、シーメンスなどが参加しています。8000形の設計はフランス国鉄のBB15000形電気機関車を基にしており、1970年には韓国政府とフランス政府間での協議を通じて導入が決定されました。

技術的特性

この機関車はサイリスタ位相制御方式を採用しており、定格出力650kWの直流電動機が6基搭載されています。総出力は3900kWに達し、特に山岳地形に適合するように設計されており、B'o-B'o-B'oの車軸配置と大きな歯車比を採用しています。そのため、最高速度は85km/hに制限されていますが、高い牽引力を発揮することで山岳専用の機関車としての役割を果たしています。

機関車のデザインはフランス式の「げんこつスタイル」と呼ばれ、韓国ではアニメ「マジンガーZ」に登場するロボットに似ていることから、愛好者たちから「マジンガー」という愛称で親しまれています。

今後の展望

2011年からは、8500形電気機関車への置き換えが始まり、2017年までに欧州から輸入された90両が廃車となりました。現在（2019年時点）、運用中の8000形電気機関車は韓国製の4両に限られています。

保存される機関車

8000形には、記念すべきトップナンバーの8001号機が2012年に廃車された後、鉄道記念物に指定されて大田鉄道車両整備段に保存されています。また、8017号機は旌善駅前で貨車改造のゲストハウスを牽引する形で保存されています。さらに、韓国で初めて製造された8091号機も現役でありながら鉄道記念物に指定され、今後保存される予定となっています。

このように、8000形電気機関車は韓国の鉄道史の中で重要な位置を占めており、今後も多くの鉄道ファンに愛され続けることでしょう。

もう一度検索