音羽 (防護巡洋艦)

音羽（おとわ）

音羽は、日本海軍の防護巡洋艦として知られています。その名前は京都の清水寺近くに位置する「音羽の滝」に由来しています。また、艦名には京都府と滋賀県の府県境にある音羽山に関連しており、歴史と文化の香りが漂う艦艇です。

計画と建造の背景

音羽は、明治35年に制定された日本海軍の第二期拡張計画に基づいて建造が決まりました。当初は水雷砲艦2隻の建造予定がありましたが、駆逐艦の進歩によりその価値が見直され、水雷砲艦の建造は取りやめられました。代わりに、巡洋艦としての役 割が期待されました。1903年1月6日、横須賀海軍造船廠で起工し、10月には進水式が行われました。進水式には明治天皇が臨席し、音羽と名付けられました。

艦型と機関

音羽は新高型防護巡洋艦の準姉妹艦として3,000トンの排水量を持ち、その設計は防御と兵装の重量を削減して速力を向上させることに重点が置かれました。 その結果、速度は21ノットに達し、当時の巡洋艦としては高速度を誇っていました。機関は艦政本部第四部によって設計されており、艦本式ボイラーを搭載するなど革新的な特徴を持ちました。

兵装

兵装面では、音羽には以下の砲が装備されていました。

• - 6[インチ][速射砲]] 2門
• - 4.7インチ][[速射砲 6門
• - 12ポンド(3インチ)速射砲 4門
• - マキシム機砲 2基

当初は新設計の45口径15cm速射砲を搭載する予定でしたが、試験の遅れにより従来の40口径砲に変更されました。

日露戦争とその後

音羽は1904年9月に竣工し、直ちに日露戦争に投入されました。その後、第一艦隊に編入され、対馬海峡の警備に従事しました。特に1905年の日本海海戦では激しい砲撃戦を展開し、損傷を負いながらも沈没は免れました。その後も音羽は様々な港に帰国し、清国の警備にも従事しました。

修理と近代化

第一次世界大戦中、音羽は青島攻略戦に参加し、南シナ海方面の警備にも関わりました。1913年から1914年にかけては復旧修理を行い、艦の性能向上に努めました。

喪失

しかし、その運命は1917年に転換を迎えます。同年7月に横須賀を出港途中、濃霧のため座礁し、艦船は重大な損傷を受けました。艦長と航海長は責任を問われるも、突発的な事故に対する情状酌量が考慮されました。結局、音羽は1918年に除籍され、その艦体は売却されました。

音羽の艦歴は、日本海軍の歴史と技術の進化を物語る一つの象徴であり、日本の海軍力の発展に寄与してきました。

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