預貯金取扱金融機関

預貯金取扱金融機関について

預貯金取扱金融機関とは、日本において、預金または貯金の受入れを業として行うことができる金融機関を指します（ただし、中央銀行である日本銀行は除きます）。一般的には「銀行」と総称されることが多いです。

概説

日本の銀行法では、預金や定期積金の受入れと、資金の貸付けや手形の割引を合わせて行う営業を銀行業と定義しています。銀行以外の者が銀行業を行うことは原則として認められていません。また、出資法においても、特別な法的根拠がない限り、預り金（預金、貯金、定期積金、またはこれらに類似するもの）を業として受け入れることは禁止されています。

このような規制のもと、預貯金取扱金融機関は、特別な法律に基づいて、預金、定期積金、貯金の受入れと、資金の貸付けや手形の割引を組み合わせて行う営業や事業を許可されています。

これらの金融機関は、預金、定期積金、貯金を通じて資金を調達し、それを原資として資金の貸付けや手形の割引を行います。また、社債や金融債を利用して資金を調達することもあります。

預貯金取扱金融機関以外にも、預り金を受け入れずに資金の貸付けを行う事業者は存在します。これらは一般にノンバンクと呼ばれ、保険会社、証券金融会社、貸金業者、短資会社などが該当します。

分類

預貯金取扱金融機関は、大きく分けて株式会社形態の営利法人と、協同組織形態の中間法人の2種類があります。さらに、銀行法に基づいて内閣総理大臣の免許を得た外国銀行支店も存在します。

現行法で想定されている預貯金取扱金融機関の具体的な分類は以下の通りです。

株式会社形態（営利法人）

普通銀行（外国銀行支店を除く）
長期信用銀行（現在は該当なし）
株式会社商工組合中央金庫
外国銀行支店

協同組織金融機関（中間法人）

信用金庫
信用金庫連合会（信金中央金庫のみ該当）
信用協同組合
信用事業を行う協同組合連合会
労働金庫
労働金庫連合会
信託組合
信用事業を行う農業協同組合
信用事業を行う農業協同組合連合会（信用農業協同組合連合会）
信用事業を行う漁業協同組合
信用事業を行う漁業協同組合連合会（信用漁業協同組合連合会）
信用事業を行う水産加工業協同組合（現在は該当なし）
信用事業を行う水産加工業協同組合連合会（信用水産加工業協同組合連合会）
農林中央金庫

これらの金融機関は、それぞれ設立根拠法や組織形態、主な顧客層などが異なります。例えば、信用金庫や信用組合は地域社会や中小企業を主な顧客としており、労働金庫は労働者を対象としています。また、農林中央金庫は、農業協同組合や漁業協同組合などの系統金融機関の中央機関としての役割を担っています。

預貯金取扱金融機関は、私たちの生活や経済活動において重要な役割を果たしており、それぞれの特性を理解しておくことは、より適切な金融サービスの利用につながります。

もう一度検索