額田寺

額田寺（がくでんじ）

額田寺は、大阪府東大阪市に位置する真言宗系の単立寺院です。その起源は古く、弘法大師（空海）との縁によって創建されたと伝えられています。

歴史

寺伝によれば、弘仁年間（810年 - 824年）に、この地の豪族であった高内皆人が、京から高野山へ向かう弘法大師のために宿泊場所として建立したのが始まりとされています。この際、大師自らが薬師如来像を刻んで安置したと伝えられています。この伝承は、応永2年（1395年）に高内重行が記した『ぬかた縁起』に記述されています。

近代の変遷

天正年間（1573年 - 1593年）に建立された本堂は、1939年（昭和14年）の火災で焼失してしまいました。この火災により、本尊であった薬師如来像も大きな損傷を受け、辛うじて仏像と判別できる程度の状態となりました。また、慈雲に縁があり、明治初頭に廃絶した不動寺から移された大師自刻と伝えられる不動明王像もこの火災で失われました。現在の本堂は、1981年（昭和56年）に再建されたものです。

寺の周辺には、寺にちなんだ地名が残っており、昭和30年代には寺の周辺から鎌倉時代から室町時代の瓦が発見されるなど、かつては広大な寺域を有していたことがうかがえます。

現代

2006年（平成18年）には、一人の僧侶が北条鉄道のボランティア駅長制度に応募し、播磨下里駅に「下里庵」という寺を開いて駅長住職となりました。そして、この僧侶が2009年（平成21年）から額田寺の住職を務めています。

札所

額田寺は、河内西国霊場の札所の一つとなっています。

21番 叡福寺
22番 額田寺
* 23番 玄清寺

額田寺は、その長い歴史の中で様々な変遷を経てきましたが、地域の人々の信仰を集める寺院として、現在もその役割を果たしています。

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