叡福寺

叡福寺：聖徳太子の眠る聖地

叡福寺は、大阪府南河内郡太子町にある太子宗の本山であり、聖徳太子の墓所とされる叡福寺北古墳（磯長墓）があることで知られています。山号は磯長山、本尊は如意輪観音です。新西国三十三箇所客番札所でもあります。

歴史

草創

叡福寺の地は、聖徳太子、母・穴穂部間人皇女、妃・膳部菩岐々美郎女が埋葬されているとされ、「三骨一廟」と呼ばれています。聖徳太子の父（用明天皇）と母はともに蘇我氏の血を引いており、蘇我氏ゆかりの地でもあります。

寺伝によれば、聖徳太子は生前、推古天皇28年（620年）にこの地を自らの墓所とするように定めたとされています。太子の没後、伯母にあたる推古天皇が土地建物を寄進し、墓守りの住む堂を建てたのが叡福寺の始まりとされています。約1世紀後の神亀元年（724年）に聖武天皇の発願で伽藍が整備されたとされますが、創建年代については諸説あります。

平安時代

叡福寺は聖徳太子ゆかりの寺として、歴代の天皇や権力者に重んじられました。嵯峨天皇をはじめ多くの天皇が参拝し、平清盛が堂塔の修理を行っています。聖徳太子は日本仏教の開祖として賛仰され、空海・良忍・親鸞・日蓮・一遍など新仏教の開祖となった僧たちが参籠しました。

南北朝時代以降

南北朝時代の貞和4年（1348年）には合戦に巻き込まれて堂舎が炎上しました。15世紀初頭以降に叡福寺と呼ばれるようになり、戦国時代には織田信長による焼き討ちで大きな被害を受けました。その後、豊臣秀頼が伽藍を復興し、慶長8年（1603年）に聖霊殿が再建されました。

長らく金堂は再建されていませんでしたが、正徳5年（1715年）に仮屋として再建され、享保17年（1732年）に本格的な金堂が再建されました。聖徳太子信仰の高まりもあって「三国一の霊場」とも呼ばれるようになりました。

境内

聖徳太子御廟（叡福寺北古墳）: 聖徳太子、母、妃が埋葬されているとされる古墳。
上の御堂: 元禄元年（1688年）徳川綱吉の命により建立。
浄土堂: 慶長2年（1597年）再建。
鐘楼: 慶長年間（1596年 - 1615年）豊臣秀頼により再建。
金堂: 享保17年（1732年）再建。
聖霊殿: 慶長8年（1603年）豊臣秀頼により再建。
宝塔（多宝塔）: 承応元年（1652年）再建。
庭園「志南香苑」: 1928年（昭和3年）に久邇宮邦彦王によって名付けられた。
南大門: 1958年（昭和33年）再建。

文化財

重要文化財として聖霊殿、多宝塔、絹本著色文殊渡海図、絹本著色涅槃変相図、高屋連枚人墓誌が指定されています。また、大阪府指定有形文化財として金堂、鐘楼、石造五輪塔、石造阿弥陀如来坐像が指定されています。

聖徳太子御廟

叡福寺北古墳は、宮内庁により皇族の陵墓（磯長墓）に指定されています。古墳は約直径55メートルの円墳で、内部には3基の棺が安置されているとされています。墳丘の周囲は「結界石」と呼ばれる石の列によって二重に囲まれています。

札所

新西国三十三箇所客番
仏塔古寺十八尊2番
河内西国霊場21番
聖徳太子霊跡6番
西山国師遺跡霊場15番
河内飛鳥古社寺霊場15番
神仏[[霊場巡拝の道]]57番

所在地・アクセス

所在地: 大阪府南河内郡太子町太子2146
アクセス: 近鉄長野線喜志駅からコミバス、または近鉄南大阪線上ノ太子駅から「たいしのってこバス」で「聖徳太子御廟前」バス停下車徒歩約3分


叡福寺は、聖徳太子の遺徳を偲び、歴史と文化に触れることができる貴重な場所です。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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