顓頊暦

顓頊暦（せんぎょくれき）

顓頊暦は、中国の古代に使用されていた暦法の一つで、太陰太陽暦に分類されます。秦の時代から前漢の元封6年（紀元前105年）まで、およそ100年以上にわたって用いられました。顓頊とは、古代中国の伝説的な帝王の名前に由来します。古暦、古六暦の一つとされています。

概要

顓頊暦が秦でいつから施行されたかについては、いくつかの説が存在します。有力な説としては、戦国時代の末期から、秦の始皇帝による中国統一（紀元前221年）までの期間に採用されたと考えられています。前漢の時代にも、武帝による太初の改暦が行われるまでの102年間、引き続き使用されました。

特徴

章法： 19年間に7回の閏月を挿入する19年7閏月法を採用。
1太陽年： 365+1/4日（365.25日）とする四分暦。
1朔望月： 29+499/940日（約29.53085日）。
年始： 10月を年の始めとする。
閏月： 年末である9月の後（後9月）に閏月を置く歳末置閏法を採用。ただし、10月を正月とは呼ばず、二十四節気の起点である立春の月を正月（端月）としました。

暦元に関する議論

従来、顓頊暦には不明な点が多くありました。例えば、『新唐書』暦志には、一行の言葉として「顓頊暦上元甲寅歳正月甲寅晨初合朔立春」とあり、甲寅歳の正月（夏正では寅月）の甲寅の朔日、寅の刻に太陽と月が合朔する年が暦元（基準年）であるとされていました。この説に基づくと、紀元前366年が暦元となりますが、実際の計算では、同年の正月甲寅の日の合朔は巳の刻に発生するため、この説は成立しないという矛盾がありました。

銀雀山漢簡の発見

1972年に、山東省臨沂県で発見された銀雀山漢簡によって、顓頊暦に関する多くの点が解明されました。これにより、従来の不明点が解消され、顓頊暦の研究が大きく進展しました。

関連項目

三正：古代中国暦における年始と正月について。

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