顕正寺 (久喜市)

顕正寺（けんしょうじ）

顕正寺は、埼玉県久喜市に位置する真宗大谷派の寺院です。その起源は鎌倉時代前期に遡り、幡谷信勝によって開かれました。

歴史

顕正寺の開基者である幡谷信勝は、常陸国茨城郡幡谷村（現在の茨城県小美玉市）にあった幡谷城の城主でした。彼は愛する妻を亡くしたことをきっかけに、その菩提を弔うため寺を創建することを決意します。そして、自身も出家し「円空」と名乗るようになりました。その後、円空は浄土真宗の宗祖である親鸞聖人に深く帰依し、その高弟「二十四輩」の一人である「唯信」として名を連ねることになります。

しかし、時代が下るにつれて、顕正寺は兵乱によって惜しくも焼失してしまいます。その後、第16代住職である善了は、寺を現在の茨城県古河市中田新田へと移転させました。この移転の際、寺はこれまで「光念寺」と称していた名前を「顕正寺」へと改称しました。

江戸時代に入ると、江戸幕府は日光街道・奥州街道の宿場町として栗橋宿を整備しました。この整備の責任者であり、同時に浄土真宗の篤い門徒でもあった池田鴨之介は、顕正寺に対し、新しく整備された栗橋宿への移転を要請しました。この要請を受け、顕正寺は栗橋宿へと移転し、現在に至ります。

文化財

顕正寺には、久喜市指定史跡となっている池田鴨之介の墓があります。（平成3年5月14日指定）

交通アクセス

• - 鉄道：JR宇都宮線・東武日光線 栗橋駅より徒歩約18分

参考文献

• - 埼玉県佛教会 監修『埼玉のお寺 埼玉県寺院全集』千秋社、2001年

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