類型学

類型学（タイポロジー）とは

類型学は、分類学の一分野であり、特に考古学や考現学において、物質をその特性によって分類し、その結果を考察する学問です。また、心理学や人間学においては、人間の行動を類型化し、その個人を全体的に把握しようとする方法論を指します。

類型学の概要

類型学は、プラトンのイデア論に近い本質主義的な世界観に基づいています。本質主義では、世界は不連続で不変な「型」に分けられると考えます。

考古学・芸術における類型学

考古学における類型学は、遺物を型ごとに分類し、その型の本質や作成年代などを考察します。この考え方は、プラトンのイデア論に影響を受けており、遺物の本質的な形態は製作者の心の中にあった「心理的な雛形」の不完全な実現であると考えます。遺物の形態の差は、原材料や製作者の技量の差に起因するとされます。

古典的な類型学は、19世紀後半にオスカル・モンテリウスらによって形成されました。彼は考古資料を生物の種のように分類し、その進化の過程を型式から説明しようとしました。1960年代以降は、統計学的手法が導入され、客観性と科学性が高められました。近年では、分岐学の手法も用いられています。

類型学は、美術や建築などの分野にも応用されています。ベッヒャー夫妻は、ドイツ各地の同じ種類の建築物を写真に収め、「類型学」と題して書籍にまとめました。

心理学・人間学における類型学

心理学や人間学における類型学は、個人の行動の恒常性を類型として決定し、性格を分類・分析する研究法です。これは、20世紀前半のヨーロッパで隆盛した人間把握の方法が基になっています。統計的な量的把握ではなく、個人の全体像を質的に把握しようとする立場です。シュプランガーやユングによる「心理学的類型論」、イェンシュらによる「人間学的類型論」、クレッチマーやシェルドンらによる「体質類型論」などが知られています。

類型学は、多様な分野で応用され、物質や人間の理解を深めるための重要な手法となっています。

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