風間丈吉

風間丈吉の生涯と業績

風間丈吉（かざま じょうきち、1902年2月25日 - 1968年5月24日）は、日本の著名な社会運動家であり、特に日本共産党の中央委員長として知られています。彼の経歴や影響力は日本の左翼運動において大きな意味を持ち、彼の後の転向は多くの議論を呼びました。

出生から上京まで

新潟県に農家の四男として生まれた風間は、教育を受けた後、東京に移り住みました。上京後は金属労働者として働き、当時の労働運動に積極的に関与しました。彼は友愛会に加入し、労働者の権利や団結を求める活動を始めました。

モスクワ留学

1925年、風間はモスクワの東方勤労者共産大学（クートヴェ）に留学します。そこで高橋貞樹などの指導を受け、共産主義思想を深めました。また、スパイ活動を行う飯塚盈延との交流もあったことは、彼の後の行動に影響を与えたかもしれません。卒業後は赤色労働組合インターナショナル（プロフィンテルン）に参加し、国際的な労働会議に出席して多くの知識を得るとともに、国内外の労働運動を繋ぐ役割を果たしました。

日本共産党との関わり

1930年に帰国後、風間は日本共産党の指導部の再建に努めました。1931年には中央委員長に就任し、モスクワから持ち帰った政治テーゼ草案の起草を行いました。この草案は、党の方向性に大きな影響を与えるものでしたが、結果的には1932年のテーゼ発表により改正されました。

1932年には熱海事件に絡んで逮捕され、獄中で思想的に変化を遂げ、転向を決意しました。1933年に共産党を脱党し、その後は社会の中での新たな道を模索しました。1942年には満期出獄し、その後は機械工として再就職しました。

戦後の活動

戦後、風間は佐野学らと共に労農前衛党を結成し、書記長として活躍しました。佐野の死後は鍋山貞親が率いる世界民主研究所で事務局長に就任し、反共活動に取り組みました。これにより、彼は再び社会に影響を与える存在となりました。

著作

風間丈吉は多くの著作を残しています。その中には、1949年に出版された『モスコー共産大学の思ひ出』や、1951年に発表された『モスコウとつながる日本共産党の歴史 上巻』などがあり、彼の思想や経験を知る貴重な資料となっています。また、晩年には『雑草の如く』や『「非常時」共産党』といった作品も手掛けています。

結語

風間丈吉は、日本の労働運動と共産党において重要な役割を果たしましたが、彼の転向はその後の政治的風潮にも影響を及ぼしました。彼の生涯は、時代の変化とともに揺れ動く思想の象徴とも言えるでしょう。

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