飛べ!エアロスミス

飛べ!エアロスミス (Get Your Wings) - エアロスミスの飛躍を告げるセカンドアルバム

『飛べ!エアロスミス』は、アメリカを代表するロックバンド、エアロスミスが1974年3月に発表したセカンドアルバムです。プロデューサーにジャック・ダグラスとレイ・コルコードを迎え、前作から大きく進化を遂げた作品として知られています。

制作の背景

当初、レコード会社はアリス・クーパーとの仕事で実績のあるボブ・エズリンをプロデューサーに考えていました。しかし、バンド側はライブでの演奏を重視した、よりストレートなサウンドを求めており、レーベル側の意向と対立。エズリンはバンドの意向を尊重し、当時新進気鋭のプロデューサーだったジャック・ダグラスを紹介しました。

その結果、前作に比べて録音環境が改善され、バンド自身も納得のいく、緊張感あふれるエアロスミスらしいサウンドが完成しました。しかし、当時はまだ世間の評価が定まっておらず、リリース当初は大きなヒットには至りませんでした。次作『闇夜のヘヴィ・ロック』の成功によって、本作もチャートを上昇し、全米74位を記録しました。

収録曲について

アルバムには、後のエアロスミスの代表曲となる楽曲が多数収録されています。

Same Old Song and Dance (セイム･オールド･ソング･アンド･ダンス)：キャッチーなリフが印象的なロックンロール・ナンバー。
Load of the Thighs (支配者の女)：2008年に発売されたゲーム『グランド・セフト・オートIV』のラジオ局に収録され、再び注目を集めました。
Woman of the World (黒いコートを着た女)：スティーヴン・タイラーが過去に在籍していたバンド、Chain Reaction時代の楽曲。
Train Kept a Rollin'(トレイン･ケプト･ア･ローリン)：ブルースミュージシャン、タイニー・ブラッドショウのカバー。ヤードバーズのカバーでも有名。エアロスミスは、この曲を数々の大物ミュージシャンと共演しており、彼らの代表的なライブ・ナンバーとなっています。元ヤードバーズのジェフ・ベックとの共演は特筆に値します。2002年のFIFAワールドカップのコンサートや、ロックの殿堂入り授賞式でも演奏されました。

参加ミュージシャン

スティーヴン・タイラー - ボーカル、アコースティック・[[ギター]]、ハーモニカ、ピアノ、キーボード
ジョー・ペリー - ギター、スライドギター
ブラッド・ウィットフォード - ギター
トム・ハミルトン - ベース
ジョーイ・クレイマー - ドラムス、パーカッション

ゲスト・ミュージシャン

マイケル・ブレッカー - サックス
* ランディ・ブレッカー - トランペット

『飛べ!エアロスミス』は、エアロスミスの音楽的な方向性を決定づけた重要な作品であり、彼らの後の成功への足がかりとなりました。ハードロック、ブルース、R&Bなど、様々な音楽的要素を融合させた、彼らならではのサウンドが堪能できる一枚です。

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