飛鳥井雅世

飛鳥井雅世（あすかい まさよ）は、室町時代中期の公卿であり、飛鳥井家7代当主です。父は飛鳥井雅縁で、官位は正二位・権中納言、没後に権大納言を追贈されています。

早くから3代将軍・足利義満に仕え、その才能を認められました。特に和歌と蹴鞠において卓越した技量を持ち、宮廷や幕府が主催する歌合では判者を務めるなど、文化面で重要な役割を担いました。その歌才は高く評価され、後花園天皇より『新続古今和歌集』の撰進を命じられ、1439年に完成させています。この和歌集は、当時の文化を語る上で欠かせない資料となっています。

また、1432年には足利義教の富士山見物に随行し、その時の様子を『富士紀行』として著しました。この紀行文は、当時の富士山の風景や旅の様子を伝えており、歴史資料としても貴重です。

さらに、蹴鞠にも造詣が深く、『蹴鞠条々大概』という蹴鞠に関する著作も残しています。これは、当時の蹴鞠のルールや技術を詳しく記したもので、蹴鞠の研究において重要な資料となっています。

雅世は、歌人としての才能だけでなく、蹴鞠の技量、さらに紀行文の執筆能力も兼ね備えた多才な人物でした。1441年に出家し、その後、正二位・権中納言に叙され、没後に権大納言を追贈されました。

彼の家集としては、単著の『飛鳥井雅世卿歌集』や、父の雅縁との合綴である『宋雅集』があります。これらの歌集は、彼の歌風を知る上で重要な手がかりとなります。


系譜

父：飛鳥井雅縁（1358-1428）
母：不詳
妻：不詳
男子：飛鳥井雅親（1417-1491）
* 次男：飛鳥井雅康（1436-1509） - 飛鳥井雅親の猶子


飛鳥井雅世は、室町時代の文化を代表する人物の一人であり、その功績は後世にまで語り継がれています。

もう一度検索