新続古今和歌集

新続古今和歌集の概要

『新続古今和歌集』は、室町時代に編纂された勅撰和歌集で、二十一代集の最後の作品です。この集は、室町幕府の第6代将軍である足利義教の執奏と、後花園天皇の命によって成立しました。撰進には権中納言の飛鳥井雅世が中心となり、和歌所の堯孝がその作業を手伝いました。成立時期は、永享5年（1433年）から永享11年（1439年）にかけてであり、最終的に2144首の歌が収められました。

撰進の経緯

撰者の飛鳥井雅世は、勅撰のために『永享百首』を作成しました。この選歌資料には、過去の多くの和歌集からの百首歌が含まれており、例えば宝治、弘安、嘉元、文保、貞和の各時代の歌が選ばれました。また、序文は一条兼良の筆によって書かれており、真字序と仮名序が存在します。

歌数と部立

この集は、春、夏、秋、冬といった四季の部立のほか、賀、釈教、離別、羈旅、恋、哀傷、雑など多様なテーマからなる構成を持っています。特に雑下には長歌、折句、物名、俳諧歌が含まれ、幅広い撰歌範囲は『万葉集』から当代に至るまでとなっています。

歌人とその歌風

『新続古今和歌集』に収められた主要な歌人には、飛鳥井雅縁、藤原良経、後小松院、藤原俊成、藤原定家、頓阿、後鳥羽院、足利義教などがいます。飛鳥井雅世が中心となったため、飛鳥井家の歌人たちが多く収録される一方で、冷泉家の歌人には冷遇される傾向が見られました。歌のスタイルは、幽玄と枯淡を基盤とし、二条派の歌風に従うものとなっています。

和歌史における位置付け

この和歌集は、和歌の流れを引き継いでいるものの、権力者への妥協による作品とも見られており、特に新古今和歌集時代からの二条家流の歌人が多いことが特徴です。また、南朝の『新葉和歌集』からの歌人も数首収録されている点が注目されます。

その後の影響

寛正6年（1465年）には、飛鳥井雅親が次の撰者に選ばれ、新たな勅撰集の企画が進められましたが、応仁の乱によってその計画は中断し、以後勅撰集は編纂されることがありませんでした。そのため、『新続古今和歌集』は以降の和歌文学においても重要な文献として位置づけられています。

参考文献

『新続古今和歌集 和歌文学大系12』 明治書院 2001、村尾誠一校注。

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