飯塚バスターミナル

飯塚バスターミナル

福岡県飯塚市の中心市街地に位置する飯塚バスターミナルは、西日本鉄道（西鉄）から分社した西鉄バス筑豊が運営を手掛ける主要なバス交通結節点です。筑豊地域南部、特に飯塚市内各地をはじめ、近隣の嘉麻市や嘉穂郡桂川町といった地域への路線バス網の起点・終点となっています。また、福岡市方面や田川市方面など、広域を結ぶ特急バス路線もこのターミナルを発着しています。

ターミナル周辺の構造として、道路が西向きの一方通行となっているため、東方面へ向かう一部のバス路線は、ターミナルビル内には乗り入れず、その東側、通り向かいに設けられた「飯塚・あいタウン前」バス停から発車する運用となっています。

現在のターミナルビル

現在の飯塚バスターミナルは、2015年（平成27年）7月に供用を開始しました。この施設は、多機能複合ビル「サンメディラック飯塚」の一部として建設され、その1階部分にバスターミナル機能が収容されています。ビル全体としては、2階から4階にかけて飯塚医師会館や休日夜間急患センターなどの医療関連施設が入居し、5階より上は西鉄が運営するマンションとなっています。この新しいターミナルビルの開業に合わせて、正式名称は「西鉄飯塚バスターミナル」と改められました。

かつてのバスセンター

現在のビルに先立つ旧バスセンタービルは、1966年（昭和41年）11月1日に竣工しました。当時のビルも1階がバス発着スペースとして利用され、上層部は商業施設として活用されていました。当初は「飯塚西鉄名店街」という名称で親しまれましたが、1988年（昭和63年）10月には若者向けにリニューアルされ、「エマックス・イイヅカ」として営業を続けました。しかし、1996年（平成8年）5月のジャスコ飯塚店閉鎖をはじめとする周辺市街地の衰退（いわゆる「空洞化」）が進行するにつれて、利用客が激減。最終的に1998年（平成10年）3月に商業施設部分は閉鎖に至りました。

旧バスセンタービルはその後もバス機能は維持していましたが、建物の老朽化や周辺地域の活性化を目指す再開発計画の一環として、2013年（平成25年）9月に解体されました。新ターミナルビルの建設期間中は、代替のバス乗降場として道路上に臨時バス停が設置されました。この一連の動きは、近隣商業施設の閉鎖が相次ぎ「空き店舗」が増加した状況を踏まえ、西鉄と地権者が共同でバスセンター周辺の再開発に着手したことによるものです。再開発に向けた具体的なステップとして、2013年1月23日には吉原町1番地区再開発組合が設立されるなど、地域の再生を目指す取り組みが進められました。

発着路線と主な目的地

飯塚バスターミナルからは、現在、主に以下の方面へのバスが運行されています。

飯塚市内各地
嘉麻市
嘉穂郡桂川町
田川市
田川郡福智町
福岡市

かつては、小倉駅・砂津（2011年3月まで）、黒崎駅前バスターミナル、西鉄久留米駅、信愛女学院（2003年3月まで）といった方面への特急バスや、大阪行きの夜行バスも運行されていましたが、現在は廃止されています。

周辺環境とアクセス

飯塚バスターミナルは、飯塚市の中心市街地の賑わいの中に位置しています。東隣には商業施設のあいタウンがあり、買い物などにも便利です。その他、近隣には以下のような主要施設があります。

あいタウン（商業施設） - 東隣
麻生飯塚病院 - 東へ約600m
嘉穂劇場 - 南へ約600m
西鉄バス筑豊本社 - 北へ約400m
勝盛公園 - 西へ約800m
飯塚市役所 - 北東へ約900m
JR新飯塚駅 - 東へ約900m
飯塚郵便局
* 遠賀川

市の中心部に立地しているものの、JR筑豊本線・後藤寺線の新飯塚駅や、筑豊本線の飯塚駅からはやや距離があります。しかし、地域内各所へのバス網が集まる結節点として、市民生活や地域間の移動において重要な役割を担っています。

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