飯島泰蔵

飯島 泰蔵 (いいじま たいぞう)

飯島泰蔵は、1925年9月24日に大阪府三島郡千里村（現在の吹田市千里山）に生まれ、情報工学の領域で日本の発展に貢献した著名な学者です。彼は東京工業大学および東京工科大学の名誉教授であり、元北陸先端科学技術大学院大学の副学長でもありました。彼の業績は、瑞宝中綬章の受賞など、教育研究における多くの栄誉で評価されています。

人物・経歴

飯島は千里第二尋常小学校を卒業後、大阪市立扇町商業学校に進学。1942年には浜松高等工業学校に首席で入学しましたが、その後は太平洋戦争の影響を受け、さまざまな国防関連の部署に動員されました。戦後、彼は1945年に東京工業大学の電気工学科に進学し、1948年に同学科及び応用数学科を卒業しました。卒業後は逓信省電気試験所での勤務を経て、1954年には電子部に異動しました。

1957年、彼は工学博士の学位を取得しました。特に注目すべきは、彼が積分方程式理論を用いて円形導波管からの電波放射の問題を解決したことで、これは国際的にも初めての業績とされます。また、飯島は日本初の文字認識装置の開発を通じて、視覚パターン認識に関する理論の構築に寄与しました。

1969年からは通商産業省工業技術院電子技術総合研究所で特別研究室長として活躍し、1971年には光学文字認識技術であるASPET/71の開発に成功しました。

1972年には東京工業大学の教授職に就き、1986年には名誉教授となりました。その後は東京工科大学の教授として後進の指導に注力し、1988年には視聴覚情報研究会の会長に就任しました。彼は北陸先端科学技術大学院大学創設に携わり、1991年からは情報科学センターの所長を務めました。また、1992年には副学長に就任し、1997年には名誉教授の称号を受けました。彼の教え子には、小川英光や赤木正人などがいます。

受賞歴

飯島は彼の研究と教育における貢献に対して、多数の賞を受賞しました。特に注目すべきは、1963年の電気学会進歩賞、1977年の電子通信学会業績賞、1989年の紫綬褒章、および1991年には電子情報通信学会の名誉員に選ばれたことです。その後も大川賞、瑞宝中綬章などを受賞し、2005年には教育研究において重要な功績が認められました。

著作

飯島の著作には、『電気数学』シリーズや『級数の理論と応用』といった多くの専門書が含まれています。これらの書籍は、電気工学や情報科学の学生や研究者にとって貴重な資料とされています。また、彼の研究はパターン認識の基礎理論や応用に関する新たな視点を提供するものであり、教育や業界での影響力を持ち続けています。

2023年11月14日、飯島は98歳で逝去されました。彼の功績は後世にわたって敬われ、情報工学の発展における重要な存在であり続けるでしょう。

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