飯田市立図書館

飯田市立図書館

飯田市立図書館は、長野県飯田市が運営する公立図書館です。中央図書館を核とし、地域館、そして16の分館で構成されています。各図書館は長い歴史を持ち、特に中央図書館は貴重な郷土資料を多数所蔵しています。また、市民参加型のイベントやビジネス支援にも力を入れており、地域社会の知的拠点としての役割を果たしています。

組織

飯田市立図書館は、中央図書館を頂点としたピラミッド型の組織構造を持っています。中央図書館の下に、鼎図書館と上郷図書館が地域館として位置づけられ、さらにその下に16の分館があります。図書館は飯田市教育委員会内の組織として扱われ、中央図書館には情報サービス係とビジネス支援係が設置されています。職員体制は、中央図書館長、中央図書館長補佐、係長、地域館長、正規職員、臨時職員、パート職員で構成されています。中央図書館長は、専任の場合と兼任の場合があり、分館には分館長、分館主事、係員が配置されています。

利用案内

図書館のコンピュータシステムは、NECのLiCS-ReⅡを採用しています。

開館時間

10:00～18:00（中央図書館は木曜日のみ20:00まで）
飯田駅前図書館は8:30～22:00

休館日

月曜日
第4金曜日
館内整理日
年末年始
祝日は中央図書館のみ開館（月曜日と重なった場合は休館）

利用資格

飯田下伊那地域に居住、通勤、通学する方が利用できます。
南信州図書館ネットワーク加盟館の貸出カードも利用可能です。

貸出

貸出冊数：10冊（3館合計）
貸出期間：2週間
予約がない場合、1度のみ延長可能
* 返却場所：図書館カウンター、ブックポスト（飯田市内3館どこでも返却可能）

その他サービス

自動貸出、予約、リクエスト、レファレンスサービス、複写サービスが利用できます。

歴史

単館時代（1901-1956）

飯田市立図書館の起源は、1901年に飯田尋常高等小学校内に設立された飯田文庫です。飯田文庫は、旧藩主堀氏の蔵書を購入し、その基礎としました。この蔵書は現在も中央図書館に「堀家所蔵古書」として保管されています。1915年には町立飯田図書館として、飯田町に移管されました。1931年には、旧飯田連隊区司令部の建物に移転しました。1937年に飯田市が誕生すると、市立飯田図書館へと名称が変更されました。第二次世界大戦後には、公民館が併設され、1955年には長野県図書館大会が飯田市で開催されました。

本館・分館体制（1956-1993）

1956年に飯田市が周辺町村と合併した際、旧町村の公民館図書室を飯田図書館の分館とする複数館体制に移行しました。児童サービスを重視し、1972年には「飯伊子どもの本研究会」が設立されました。1974年には新館が竣工し、児童室や婦人文庫室が設けられました。1981年には本館が改築され、図書館専用の建物が初めて建設されました。1984年には鼎町との合併に伴い、鼎図書館が飯田図書館の分館となりました。

3階層体制へ（1993-）

1993年、上郷町との合併に合わせて、市立飯田図書館は飯田市立中央図書館に改称され、鼎分館と旧上郷図書館はそれぞれ地域館として昇格しました。2005年には、上村と南信濃村との合併により、16分館体制が整いました。2006年からはビジネス支援を開始し、2008年からは木曜日の開館時間を延長しました。2011年には南信州図書館ネットワークが発足し、相互利用が可能になりました。

中央図書館

飯田市立中央図書館は、飯田市追手町に位置する図書館の中核施設です。1901年に飯田文庫として創設され、1993年から中央図書館を名乗っています。地域館や分館の活動拠点としての役割を担い、郷土資料の収集に力を入れています。また、読書会や文学講座、ジョブカフェなど、多様なイベントを開催しています。

中央図書館の建物は1981年に竣工したもので、レンガ造りの外観が特徴です。2022年5月には、JR飯田駅前に飯田駅前分室が開設されました。

特色

中央図書館は、市民参加型のイベントを多数開催しており、その活動は長野県の図書館界で高く評価されています。

児童サービス

1959年から児童室を設置するなど、児童サービスの歴史は長く、児童書の充実にも力を入れています。1972年には「飯伊子どもの本研究会」が設立され、児童の読書活動を支援しています。現在も、お楽しみ会やブックスタートなど、様々な児童向けサービスを提供しています。

ビジネス支援

2006年からビジネス支援を開始し、専門部署を設置して、ビジネスに関する情報提供や相談を行っています。専門家リストを作成し、図書館職員だけでは対応できない相談にも対応しています。

郷土資料とコレクション

中央図書館は、貴重な郷土資料を多数所蔵しています。特に「堀家所蔵古書」は、飯田文庫の創設時から保管されている貴重な資料群です。他にも、「深山自由新聞」や「政治と青年」など、地域の歴史を伝える資料も所蔵しています。

地域館

飯田市立図書館は、鼎図書館と上郷図書館を地域館として設置しています。上郷図書館の方が規模が大きいですが、両館とも地域に根ざした活動を展開しています。

鼎図書館

鼎図書館は、1910年に鼎文庫として開館し、1993年に地域館に昇格しました。地域密着型の運営、児童書の充実を推進しており、お楽しみ会や除籍本の配布など、独自の活動を行っています。

上郷図書館

上郷図書館は、1923年に上郷青年会が運営する私立図書館として創立し、児童書を重視した運営方針をとっています。飯田市への合併後、飯田市立図書館の地域館として位置づけられています。

分館

飯田市立図書館は、16の分館と1つの分室を擁しています。各分館は中央図書館の分館でありながら、実態は公民館図書室に近い運営をしています。コンピュータによる貸し出しは導入されておらず、分館ごとに貸出カードを作成する必要があります。しかし、蔵書情報はインターネットで公開されており、分館からの予約が可能です。分館では、地域住民のニーズに応じた様々な活動を展開しています。

千代分館

千代分館は、1894年創立の千代文庫が起源で、中央図書館よりも歴史があります。千代青年会が運営を担い、地域社会の発展に貢献しました。

千栄分室

千栄分室は、千代分館の分室として、毛呂窪公民館内に設置されています。

竜丘分館

竜丘分館は、1920年創立の竜丘文庫が起源で、青年会が設立しました。自由主義・人道主義の傾向が強く、特徴的な運営を行っていました。

川路分館

川路分館は、1925年設立の図書室が起源です。幾多の災害を乗り越え、地域住民の文化活動を支えてきました。

南信州図書館ネットワーク

南信州図書館ネットワークは、飯田市立図書館、松川町図書館、高森町立図書館が2011年に結成した図書館ネットワークです。現在では豊丘村、喬木村の図書館も参加しています。相互利用を可能にすることで、地域全体の図書館サービスの向上を目指しています。

まとめ

飯田市立図書館は、長い歴史と地域に根ざした活動を通して、市民の知的活動を支えています。中央図書館を核に、地域館、分館がそれぞれの役割を果たし、南信州図書館ネットワークにより広域的な連携も実現しています。今後も、地域社会の発展に貢献する図書館として、更なる発展が期待されます。

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