飯野八幡宮

飯野八幡宮について

飯野八幡宮は、福島県いわき市平に鎮座する神社で、旧社格は県社です。社家は伊賀氏の庶流である飯野氏が務めていました。この神社は、地域の人々から篤く信仰されており、その歴史と文化的な価値は非常に高いものです。

祭神

飯野八幡宮には、以下の三柱の神様が祀られています。

品陀別命（ほんだわけのみこと）：応神天皇として知られる神様です。
息長帯姫命（おきながたらしひめのみこと）：神功皇后として知られる神様です。
比売神（ひめがみ）：仲姫命として知られる神様です。

歴史

社伝によると、飯野八幡宮は康平6年（1063年）に源頼義が京都の石清水八幡宮を勧請したのが始まりとされています。その後、文治2年（1186年）には、源頼朝の命により関東御領好嶋荘の総社として、本社である石清水八幡宮から御正躰を奉じ、岩城郡飯野郷の赤目埼見物岡（現在のJR常磐線いわき駅北側の高台）に祀られました。

この神社は、浜通り南部でも最大級の神社であり、岩城氏や磐城平藩主など、当地を本拠地とした権力者たちから手厚い崇敬を受けてきました。しかし、関ヶ原の合戦後、岩城氏が追放されると、代わって徳川譜代の鳥居忠政がこの地を治めることとなり、慶長7年（1602年）に現在の場所（八幡小路、福島地裁いわき支部の近く）に遷座しました。この時、旧社地には磐城平城が築城されました。

また、安藤氏が磐城平藩主であった時期（1756年 - 1868年）には、八幡小路に藩校である施政堂が設置されていました。

摂末社

飯野八幡宮には、本社の他に以下の摂社と末社があります。

摂社
若宮八幡神社：祭神は大鷦鷯尊（仁徳天皇）です。
末社
五社
武内社：祭神は武内宿禰です。
白旗社：祭神は源頼朝です。
春日社：祭神は天児屋命です。
愛宕社：祭神は軻遇突智命です。
事代主社：祭神は事代主命です。

文化財

飯野八幡宮には、多くの文化財が残されており、その一部は国指定の重要文化財となっています。

重要文化財（国指定）

本殿：元和2年（1616年）に上棟された建物で、当初は流造でしたが、後の修理で入母屋造となりました。
楼門：万治元年（1658年）に建立された入母屋造の門です。
唐門：元禄16年頃に建立された平唐門です。
神楽殿：元和9年に建立された入母屋造の建物です。
仮殿：寛文13年（1673年）に建立された一間社流造の建物です。
若宮八幡社本殿：元和5年に建立された一間社流造の建物です。
宝蔵：江戸時代初期に建てられた土蔵です。
大薙刀：銘があり、「備州長船住盛景 貞治六年十一月日」と刻まれています。盛景は長船派の刀工で、貞治6年は1367年にあたります。
飯野家文書：1,683通の古文書です。

いわき市指定有形文化財

飯野八幡宮幣拝殿など

参考文献

「新指定の文化財」（『月刊文化財』第471号、2002年）

関連項目

平 (いわき市)
岩城氏
磐城平藩
磐城平城
伊賀光宗（飯野八幡宮別当）

外部リンク

飯野八幡宮（神社公式）
いわき市の文化財一覧'>いわき市の文化財一覧 (PDF形式) （いわき市）

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