養玉院

養玉院について

養玉院（ようぎょくいん）は東京都品川区西大井5丁目にある天台宗の寺院で、山号は帰命山、主に釈迦如来を本尊としています。1926年に、上野にあった養玉院と芝高輪の如来寺が合併して新たに設立されました。現在の名称は「養玉院」となっていますが、時には「養玉院如来寺」や「如来寺」とも呼ばれることがあります。

寺院の特色

養玉院では、五智如来堂内にある瑞應殿に五智如来像が安置されており、これには大日如来、薬師如来、宝生如来、阿弥陀如来、そして釈迦如来の5体が含まれています。これらの像は密教における5種類の智慧を表わしており、各像の高さはおよそ3メートルです。地元では「大井の大佛（おおいのおおぼとけ）」として親しまれていますが、薬師如来以外の3体は1725年と1745年に発生した火災で焼失し、その後に再興された歴史を持ちます。

また、養玉院の境内には、対馬藩の宗氏や大和高取藩の植村氏に関連する歴代の墓も存在し、歴史的な背景も併せ持っています。特に迎え盆の8月13日には、境内に約1000個の提灯が灯され、千灯供養が行われるため、多くの参拝者が訪れます。

歴史的背景

養玉院の起源は平安時代に遡り、元々は「三藐院」として設立されました。この寺は、江戸城の建設に伴い、当時の下谷村忍岡（現在の台東区上野公園）へ移転しました。江戸時代には徳川家に仕えた天海によって設立された寛永寺山内にて、1762年頃に「三明院」と改名されました。さらに、3763年には対馬府中藩の藩主宗義成の正室の院号を引き継ぎ、「養玉院」と改められました。

200年近くの移転を最後に、1926年に今日の位置での養玉院が成立したのです。このような変遷を経て、現在では多くの信者や観光客が訪れる寺院となっています。

見どころ

養玉院のもう一つの名所は、五智如来像が祀られている大きな堂です。特に観光客には「高輪の大仏」としてその名が知られており、訪問者にとっては必見のスポットとなっています。さらに、布袋尊が祀られる荏原七福神の札所としても知られています。

文化財

また、養玉院は文化財も多数所蔵しています。東京都有形文化財に指定されている古文書や絵画などがあり、特に「高輪車町及び如来寺門前絵図」や「紙本着色仏涅槃図」は貴重な文化遺産とされています。そして、品川区でも鑑賞可能な絹本着色の阿弥陀三尊の来仰図や、木造の釈迦如来像なども展示されています。

メディア登場

最後に、養玉院はメディアにも取り上げられることがあり、人気番組「内村プロデュース」や「ちい散歩」などで紹介されています。特に「ちい散歩」では西大井エリアとして登場し、視聴者に新たな発見を提供しています。

こうした歴史や文化が融合した養玉院は、心を静め、安らぎを得る場所として人々に親しまれているのです。

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