館腰駅

館腰駅

館腰駅（たてこしえき）は、宮城県名取市植松四丁目に所在する、東日本旅客鉄道（JR東日本）東北本線の駅です。岩沼駅から乗り入れる常磐線の普通列車も、この駅に停車します。

概要

この駅は、仙台空港へのアクセス向上と名取市南部の地域利便性向上を目的に設置されました。駅開業と同時に、空港への連絡バスも運行を開始しています。

2007年（平成19年）3月18日に仙台空港鉄道が開業する以前は、「仙台空港口」という副駅名がつけられており、一部の列車内では「館腰・仙台空港口」という案内も行われていました。しかし、空港鉄道の開業後はこの呼称は使われなくなりました。

また、空港への連絡バスも2010年（平成22年）3月をもって廃止され、主要な空港アクセス機能は失われました。現在、朝夕の時間帯に臨空循環バスを利用すれば空港へ向かうことは可能ですが、駅の主要な役割は地域の通勤・通学輸送へと変化しています。

歴史

館腰駅の建設は、1985年（昭和60年）1月8日に着手されました。総工費約1億9500万円は全額が地元の負担によって賄われた、いわゆる請願駅として建設されたものです。

同年4月22日に駅が開業しましたが、当初は駅員が配置されていない無人駅でした。
1986年（昭和61年）10月15日には、乗車駅証明書発行機が設置されます。

開業から約2年後の1987年（昭和62年）2月には、名取駅から駅員が派遣されるようになり、事実上の有人駅となります。
同年4月1日には、国鉄の分割民営化に伴い、JR東日本の駅として新たなスタートを切りました。
さらに同年7月1日には、「仙台空港口」という愛称名が正式に付与されています。

交通系ICカード「Suica」の利用が可能になったのは、2003年（平成15年）10月26日のことです。

2007年（平成19年）3月18日、仙台空港鉄道の開業を迎えると、それまで使われていた「館腰・仙台空港口」という案内や呼称は廃止されました。
同年4月1日からは、名取駅からの社員派遣による駅業務が終了し、JR東日本東北総合サービスへの業務委託駅となりました。

比較的近年では、駅のバリアフリー化が進み、2023年（令和5年）3月10日にはエレベーターや新たな連絡通路の使用が開始されています。
また、新しい乗車サービスとして、2024年（令和6年）10月1日には「えきねっとQチケ」のサービスが始まりました。

駅構造

館腰駅は地上にホームが配置された地上駅で、向かい合う形の相対式ホームが2面2線設けられています。特徴的なのは、開業当初が無人駅だった名残として、改札口が設置されておらず、利用者はホームへと直接出入りする構造になっている点です。

窓口は下りホーム側に設置されています。
駅の出入口は、上り方面ホーム側に東口、下り方面ホーム側に西口が設けられています。

駅の管理は仙台駅が行っており、駅業務自体はJR東日本東北総合サービスに委託されています。
駅設備としては、自動券売機と簡易式のSuica改札機が設置されています。

のりば

のりばは以下の通りです。

利用状況

JR東日本が公表している情報によると、2023年度（令和5年度）の1日平均乗車人員は1,909人でした。
近年の乗車人員数は概ね1,900人台で推移しており、周辺地域における通勤・通学利用が主体となっていることがうかがえます。

駅周辺

駅の東側は国道4号線に面しており、沿線にはロードサイド型の商業施設や店舗が見られます。西口側には簡易式の有料駐車場が整備されています。

周辺には、館腰郵便局や岩沼警察署館腰交番などの公共施設、地元の信仰を集める館腰神社があります。
路線バスとしては、名取市のコミュニティバスである「なとりん号」（愛島線・館腰植松線）や、仙台空港方面への「仙台バス臨空循環バス」が駅前に乗り入れています。

隣の駅

東日本旅客鉄道（JR東日本）
■東北本線・■常磐線（常磐線は岩沼駅 - 仙台駅間東北本線）

岩沼駅 - 館腰駅 - 名取駅

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