香北町

香北町の概要

高知県の北東部に位置した香北町（かほくちょう）は、自然豊かな環境に恵まれた地域でした。この町は2006年3月1日に土佐山田町と物部村と合併し、香美市へと生まれ変わりました。高知市から約30キロメートルの距離にあり、物部川の中流域にある山間地帯で、町の約86%は豊かな森林に覆われています。

地理

香北町の地形は、山に囲まれており、特に鉢ヶ森（1270メートル）と御在所山（1079メートル）が際立っています。また、物部川が町を流れ、その水の恩恵を受けています。町を代表するダムには永瀬ダムと吉野ダムがあり、これらは水資源の管理に重要な役割を果たしています。隣接する自治体には土佐山田町、物部村、香我美町、また長岡郡の大豊町があります。

歴史

香北町は1961年3月31日に大宮町と在所村が合併して誕生しました。その後、2003年に「こうほく3町村合併協議会」が設立され、資料の整備が進められました。しかし、2004年には住民投票で合併に反対の意見が多く、協議会は解散を余儀なくされました。合併に向けた取り組みは続き、再び2005年に住民発議により合併協議会が設立されました。最終的に2006年に土佐山田町と物部村との合併により香美市が誕生しました。

行政・産業

香北町では、町長として野島民雄氏が長年にわたり町を率い、地元の発展に寄与しました。産業の面では、主に農業と林業が中心で、特に米や野菜の生産が盛んでした。特産品としては、韮生米が有名でしたが、商工業はあまり発展しておらず、近隣の土佐山田町での買い物が主流となっていました。

教育

香北町には幾つかの教育機関が存在しました。保育園には美良布保育園と双葉保育園があり、学生は香美市立大宮小学校と香北町立谷相小学校に通っていました。谷相小学校は生徒がいないため、現在は休校となっています。また、中学校は香美市立香北中学校が一つあり、地域の教育を支えていました。

交通

町内の交通は便利で、高知龍馬空港が南国市にあり、車で約30分の距離にあります。鉄道では、JR土讃線の土佐山田駅が最寄りで、車で約20分でアクセス可能です。また、高速道路は高知自動車道の南国インターチェンジが主な出入り口となっています。一般国道としては国道195号が通り、さらに県道も複数整備されていました。

名所と文化

香北町には観光スポットが点在しています。やなせたかし記念館や轟の滝、大荒の滝、大川上美良布神社などがあり、多くの観光客に親しまれました。毎年11月には大川上美良布神社の秋季大祭が開催され、地域の文化を感じさせる催事となっていました。

また、香北町出身の著名人には、作家・漫画家のやなせたかし氏や、陸軍大将の山下奉文氏、元日本テレビ放送網アナウンサーの福留功男氏がいます。彼らの活躍は地域の誇りでもあります。香北町は自然と人々の温かさにあふれた魅力的な場所でしたが、香美市となった現在もその歴史は脈々と受け継がれています。

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