香取神社 (春日部市西金野井)

香取神社は、埼玉県春日部市に位置する神社です。創建年代は明確にはわかっていませんが、社に伝わる棟札に「徳治元年（1306年）」の銘があることから、少なくとも鎌倉時代後期にはすでに存在していたと考えられています。

歴史

1586年（天正14年）には、後北条氏から2貫文の寄進を受け、1591年（天正19年）には、関東地方を治めることになった徳川家康によって寺領10石が与えられました。これらのことから、戦国時代から江戸時代初期にかけて、地域からの崇敬を集めていたことがうかがえます。

かつて、神社は現在地より200メートルほど北の場所に位置していました。しかし、江戸川に近接していたため、1951年（昭和26年）に治水工事に伴い現在の場所に移転しています。

香取神社の拝殿に掲げられている扁額は、明治時代の政治家である副島種臣の筆によるものです。また、かつては「香取神社の大ケヤキ」と呼ばれる、樹齢600年とも言われる巨大なケヤキがあり、埼玉県の天然記念物に指定されていましたが、1975年（昭和50年）頃から枯れ始め、1986年（昭和61年）に完全に枯死しました。

文化財

香取神社は、複数の文化財を所有しています。

香取神社本殿：昭和31年11月1日に埼玉県指定有形文化財に指定されました。
西金野井香取神社の棟札：昭和57年12月1日に春日部市指定有形文化財に指定されました。
西金野井香取神社領朱印状 付 香取神社領替地につき覚書一通、黒漆塗葵紋入文箱一点：平成26年3月25日に春日部市指定有形文化財に指定されました。これらの文化財は、神社の歴史を今に伝える貴重なものです。

交通アクセス

香取神社へは、東武アーバンパークライン（野田線）の南桜井駅から徒歩約22分でアクセスできます。

参考文献

横川好富 著『香取神社≪庄和≫（さきたま文庫18）』さきたま出版会、1990年

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