香月熊雄

香月熊雄（かつき くまお）は、1916年1月25日に佐賀県杵島郡白石町で生まれ、1995年6月18日に心不全のため79歳で亡くなった日本の政治家です。

鹿児島高等農林学校（現在の鹿児島大学農学部）を卒業後、佐賀県庁に入庁し、長年にわたり農林行政に携わりました。特に農林部長としては15年もの間、佐賀県の農業と林業の発展に尽力しました。その後、県農協中央会副会長を経て、佐賀県副知事を務め、県政の中枢で経験を積みました。

1979年の佐賀県知事選挙で初当選を果たし、その後1991年まで3期12年間、佐賀県知事として県政を担いました。在任中は、佐賀県の発展に大きく貢献しました。特に、広大な環濠集落が発見された吉野ヶ里遺跡の保存を決定したことは、文化遺産の保護に対する重要な功績として評価されています。

4選を目指した1991年の知事選挙では、当初は出馬に意欲を示していましたが、前年の胆石手術による入院など健康上の問題や、多選に対する批判があったことから、出馬を断念しました。後継者には、当時副知事であった井本勇氏を指名しました。

1991年には、その長年の功績が認められ、勲二等旭日重光章を受章しました。これは、国家や公共に対する顕著な功労者に贈られる名誉ある勲章です。

香月熊雄は、農業行政の専門家としてだけでなく、佐賀県知事として県政をリードし、佐賀県の発展に大きく貢献した人物として、その功績は今も語り継がれています。彼のリーダーシップと決断力は、県民から深く尊敬され、その遺産は佐賀県の歴史の中で重要な位置を占めています。

香月熊雄の生涯は、地方自治におけるリーダーシップの重要性と、文化遺産保護への貢献を体現するものであり、後世に多くの教訓を与えています。

もう一度検索