香港特別行政区財政司司長

香港特別行政区 財政司司長について

香港特別行政区政府において、財政司司長（Financial Secretary）は、財政および経済政策を統括する重要な高官です。政府内での序列は第3位であり、行政長官を補佐し、香港の経済運営における中心的な役割を担っています。日本語では「財政長官」と訳されることが一般的です。

概要

返還前は、1939年まで庫政司（Colonial Treasurer）、その後1997年までは財政司（Financial Secretary）という名称でした。返還後、「財政司司長」と名称が変更されましたが、「財政司」という官庁は存在しません。ただし、財政司司長は、財政司司長弁公室という官房組織を擁しています。歴代の在任者には、公務員出身者だけでなく、財界出身者も多く見られます。

財政司司長の主な任務は、財政、金融、経済、貿易、雇用など広範な分野における政策決定と実施において、行政長官を補佐することです。具体的には、香港政府の予算案を作成し、それに関する立法会での答弁や一般への公表を行います。また、政務司司長と共に、一部の決策局（工商科技局、経済発展及労工局、財経事務及庫務局）を指導する役割も担っています。さらに、香港金融管理局など一部の執行部門を直接指導し、香港金融管理局長の補佐のもと、香港の外為基金を管理しています。

歴代の財政司司長

以下に、歴代の財政司司長および返還前の相当職在任者を記します。返還前の財政司は、曽蔭権氏以前は全てイギリス人が務めていました。

財政司（返還前）

Sydney Caine（1937年 - 1939年）
Henry Robert Butters（1939年 - 1941年）
Charles Geoffrey Shield Follows（花路時、1945年 - 1951年）
Arthur Grenfell Clarke（祈樂嘉、1952年 - 1961年）
John James Cowperthwaite（郭伯偉、1961年 - 1971年）
Charles Philip Haddon-Cave（夏鼎基、1971年 - 1981年）：長らく香港政庁の基本方針となった積極的不介入政策を提唱しました。
John Henry Bremridge（彭勵治、1981年 - 1986年）
Piers Jacobs（翟克誠、1986年 - 1991年）
Nathaniel William Hamish Macleod（麥高樂、1991年 - 1995年）
曽蔭権（ドナルド・ツァン、1995年9月1日 - 1997年6月30日）

財政司司長（返還後）

曽蔭権（1997年7月1日 - 2001年4月30日）
梁錦松（2001年5月1日 - 2003年7月16日）
唐英年（2003年8月4日 - 2007年6月30日）
曽俊華（2007年7月1日 - 2017年1月16日）
陳茂波（2017年1月16日 - 現在）

現在の財政司司長は陳茂波氏であり、香港の財政と経済政策の舵取りを担っています。

まとめ

財政司司長は、香港の経済運営において非常に重要な役割を果たす官職です。返還前からの歴史を持ち、数々の著名な人物がその職を歴任してきました。香港の財政、経済政策に関心を持つ上で、財政司司長の動向は常に注目されるべきでしょう。

外部リンク

財政司司長プロフィール
* 財政司司長弁公室

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