馬廖

馬廖（ば りょう、生年不詳 - 92年）は、後漢時代の人物で、明徳馬皇后の兄にあたります。字は敬平といい、右扶風茂陵県を本貫としました。彼は、後漢王朝において重要な役割を果たした外戚の一人です。

出自と初期の経歴

馬廖は、名将として知られる馬援の長男として生まれました。父の功績により、若くして郎という官職に任じられます。60年（永平3年）に妹の馬皇后が皇后に立てられると、彼は羽林左監や虎賁中郎将といった要職を歴任しました。

軍事的な功績

軍司馬の鄭衆とともに、車師という異民族を攻撃する作戦に参加しました。この作戦における彼の具体的な役割や功績については、詳細な記録は残っていませんが、軍事面でも一定の貢献があったと考えられています。

明帝の死後

明帝が崩御すると、遺詔により馬廖は禁門をつかさどる役目を担うことになりました。その後、趙熹に代わって衛尉に任じられ、章帝からの信任も厚かったと伝えられています。

徳政への貢献

彼は、明徳皇太后に対して徳政を行うよう勧める上疏を行いました。これは、彼が単に外戚として権勢を振るうだけでなく、政治にも積極的に関与し、民を思う気持ちを持っていたことを示しています。

人となり

馬廖は、誠実で慎重な性格であり、権勢や名声を好みませんでした。世間の評判にも囚われず、毀誉褒貶を気にしない人物であったと評価されています。封爵を受けることを度々辞退し、79年（建初4年）になってようやく順陽侯に封じられました。その後、特進として官を引退し、邸に隠居しました。皇帝からの賞賜も辞退することが多かったようです。

晩年と死

92年（永元4年）に亡くなりました。諡は安侯といい、その生涯は穏やかで民を思うものであったことが偲ばれます。

子孫

馬廖には、馬豫と馬遵という二人の息子がいました。馬豫は歩兵校尉を務め、馬遵は父の後を継いで程郷侯となりました。また、孫には馬度という人物がおり、彼は潁陽侯となりました。

馬廖は、外戚でありながらも、その地位に驕ることなく、誠実で慎ましい生き方を貫いた人物として、後世に語り継がれています。

参考文献

* 『後漢書』巻24 列伝第14

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