馬越三郎

馬越 三郎について

馬越三郎（まごし さぶろう）は、嘉永元年（1848年）頃に生まれ、明治20年（1887年）頃に亡くなったと考えられている新選組の隊士です。彼は隊中において「美男五人衆」と呼ばれる著名な隊士の一人で、他のメンバーに比べて最も若い存在でした。

出身と入隊

阿波国にある徳島藩の出身である三郎は、文久3年（1863年）に新選組に入隊したとされています。彼は入隊後間もなく同隊の一員として様々な活動を行い、その美男子としてのイメージや剣術の腕前で知られるようになります。彼が特に知られているエピソードの一つは、野口健司の葬儀において武田観柳斎とともに頼越人をつとめたことです。

人物像とエピソード

三郎の魅力の一因は、その外見と振る舞いにあります。彼は紫色の着物を好んで着こなし、外出時にはおしゃれで目を引く姿を見せていました。また、笑顔になると両頬に可愛らしいえくぼができ、その表情は若い女性を彷彿とさせるものがあったとされています。そのため、彼は「愛らしい」と評されていました。彼の容姿は周囲からも評価が高く、明治20年に八木邸を訪れた際には、八木為三郎から「27歳から28歳くらいにしか見えなかった」と言われています。

しかし、彼は美しさだけでなく、剣術においても非常に優れた技量を誇っていました。彼の剣術は、高い評価を受けており、武士としての資質を持っていたことがうかがえます。

決定的な出来事

馬越は、武田観柳斎の暗殺事件に関与し、その前に薩摩藩邸から観柳斎が退出する様子を目撃しました。彼は、観柳斎が新選組の情報を漏洩していると考え、すぐに局長の近藤勇に報告しました。この行動が、後に観柳斎暗殺につながったとされています。

しかしながら、この事件の後、彼は隊内で密告行為があったため、その結果として新選組内部の不信感を招いてしまいました。そのため、馬越は仲間たちから白眼視されるようになり、土方歳三は彼の脱退を勧めました。金子が渡されたことで、彼は新選組を去ることになりました。

脱退後の生活

新選組を去った後、馬越三郎はガラス商として新たな人生を歩んだと伝えられています。彼の新選組における経験や人間関係は、波乱に満ちたものであり、それがまた歴史上の一つの物語となっています。

参考文献

いくつかの資料がこの時代の新選組に関する理解を深める上での貴重な情報源となっています。特に、子母澤寛の『新選組物語』や鈴木亨の著作などが、そのストーリーやキャラクターを掘り下げる手助けとなるでしょう。

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