野口健司

野口健司の生涯と新選組での役割

野口健司（のぐち けんじ）は、天保14年（1843年）に生まれ、文久3年（1864年）に21歳という若さで生涯を終えた新選組の隊士でした。彼の諱は政詰であり、水戸藩に由来しています。若い頃から剣術に励んだ彼は、江戸の百合元昇三道場で神道無念流を学び、その技術を磨いて免許皆伝まで達しました。この道場には、後に新選組幹部となる永倉新八も在籍しており、彼らの間には師弟の絆があったことでしょう。

文久3年の2月、野口は浪士組に参加し、上洛を果たしました。江戸に帰ることを拒んだ彼は、同年3月には壬生浪士組の結成に携わることとなります。水戸藩出身として、彼は芹沢鴨や新見錦、平間重助、平山五郎などの「水戸派」とも呼ばれる仲間たちと共に行動しました。新選組では副長助勤として組織の初期の幹部という重要な役割を果たしました。

しかし、彼の活躍は厳しい運命に直面します。彼は芹沢と共に、芹沢が引き起こした大坂での乱闘事件にも関与したとされています。また、八月十八日の政変にも出動しており、その行動は彼にとって試練の多いものでした。

同年9月、芹沢と平山が暗殺され、平間は逃亡を余儀なくされます。この暗殺事件の夜、野口は角屋に残っていたため、難を逃れました。暗殺事件の前に新見も切腹させられており、水戸派は事実上崩壊を迎えます。子母澤寛は彼の伝記『鴨川物語』において、野口が暗殺者に選ばれ、平間を逃がしたという説を紹介しています。

野口だけは生き残り、その後も新選組の幹部として活動を続けましたが、同年12月27日に突如として切腹を命じられる運命に直面します。安藤早太郎の介錯で切腹し、享年21という短い生涯を閉じました。彼の切腹の理由は不明ですが、八木源之丞の証言によれば、ささいな理由で詰め腹を切らされた可能性があるとのことです。

さらに一部の説では、野口が隊士を名乗る水戸浪士の訴訟問題に関わってしまい、これが切腹の原因になったとも言われています。新選組という波乱万丈な組織の中で、野口は歴史の一端を担った重要な人物であり、その生涯は多くの謎に包まれています。

関連項目

• - 新選組隊内において粛清された隊士

彼の姿は新選組という運命に翻弄された時代の象徴とも言えるでしょう。

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