馬鈞

馬鈞 (ば きん) - 三国志の学者・発明家

馬鈞は、中国三国時代において、魏に仕えた傑出した学者であり、発明家でもありました。彼の生没年は不詳ですが、字は徳衡であり、司隷扶風郡の出身です。また、彼の業績は『三国志』の魏志「方技伝」において、傅玄の序で詳しく記述されています。

早年の生活と発明への道

若いころの馬鈞は、自身の才能に気づかず、遊びに明け暮れていたとされています。しかし、後に博士に任命された際、当時の彼は経済的に困窮しており、生計を立てるために機織り機の改良に取り組みました。その改良は評判となり、彼の才能はやがて周囲に認められるようになりました。

当初は給事中として高堂隆や秦朗と議論を交わす中で、古記録に記された指南車について言及し、彼らが「実在しない」と主張したことに対し、馬鈞は「実際に存在する」と反論しました。さらに「現代人は工夫しようとしない」という批判を行い、彼の信念を貫きました。

指南車の製作

高堂隆と秦朗が馬鈞の意見を曹叡（明帝）に上奏した結果、明帝から指南車の製作が命じられました。馬鈞はその任務を見事に果たし、指南車を完成させ、その後の名声を不動のものとしました。これにより彼は一躍有名になり、才能が広く認識されるようになったのです。

水車と他の発明

馬鈞はまた、都に持つ土地を活用して、田んぼに水を引くための足踏み式水車を開発しました。この水車は従来の水車に比べて100倍の効果があったとも言われています。彼の技術革新は、当時必要とされる農業技術の向上にも寄与しました。

さらに、明帝が機械人形の動きに不満を持った際、馬鈞はその改造を任され、見事に要求に応えました。この改造は青龍3年（235年）に「水転百戯」と名づけられ、馬鈞はこの二点の発明が認められることになりました。

諸葛亮との出会いと発石車の改良

また、馬鈞は諸葛亮が開発した連弩を見た際、その巧妙さを鑑みつつも「私なら5倍の性能を引き出せる」と自身の技術力を誇示しました。このように自信を持って発言できることからも、彼の技術者としての自負が伺えます。

彼は投石機（発石車）についても、欠点を洗い出し、改良を進める実験を行いましたが、裴秀からの批判に直面し、思うように意見を述べられなかったこともありました。裴秀は馬鈞を論破したと公言しましたが、傅玄は馬鈞を擁護し、その才能を高く評価しました。

遺産と評価

最終的に、傅玄は馬鈞を回顧し、彼が歴史に残る名のある人物であると称賛しました。公輸盤、墨子、王璽、張衡と並び称される才能を秘めていたにもかかわらず、彼が十分に活躍できなかったことを惜しむ声も上がりました。彼の業績は『三国志演義』にも描かれ、後世に証言され続けています。

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馬鈞の発明と技術的功績は、三国時代の中国において重要な役割を果たし、彼の思想が現代にまで影響を及ぼしたことは言うまでもありません。

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