馬鴻逵

馬鴻逵：中華民国初期の回族軍閥

馬鴻逵（ば こうき）は、中華民国初期に寧夏省の西北部を治め、回族の軍閥である馬家軍の重要な指導者の一人として知られています。彼は「少雲」という字を持ち、父親の馬福祥の後を継いで寧夏新軍を指揮し、「寧夏王」との称号で親しまれていました。

人物背景と生涯

馬鴻逵は、1920年代における中国の政治的混乱の中で、重要な役割を果たしました。第二次直奉戦争の際、彼の部隊は馮玉祥の国民軍に大きく組み込まれ、1926年には第四路軍の司令官に任命されました。この時期に彼は北伐軍に対抗し、陝西省潼関での戦闘へと進出しました。

1929年、馮玉祥と蔣介石の対立が表面化する中、馬鴻逵は両者の関係を見直し、アメリカやイギリスの支援を受ける蔣介石の側に付くことを選びました。翌年の1930年には、中原大戦で忠誠を示し、蔣介石が率いる部隊の中で重きを置かれる存在となり、最終的には第十五路軍の指揮官にまで昇進しました。

1932年から1949年にかけて、馬鴻逵は寧夏省の主席として政権を握り、日本の侵攻が始まる前まで、中国共産党との戦いを繰り返しました。同時に、自らの地位を確保するために、親族との権力闘争を避けながら馬仲英を他地域へ開発することを支援しました。

日中戦争が勃発すると、彼は叔父の馬鴻賓と共に第17集団軍に編成され、総司令としてさらに軍事的影響力を発揮します。戦局が厳しさを増す中で、国共内戦が始まり、馬鴻逵は再び蔣介石の国民党側に立ち、共産党勢力との戦闘に臨みます。しかし、1949年に国民党が敗北の危機に瀕すると、彼は台湾に逃れる決断をしました。

台湾においては、監察院による自らの統治時代の責任追及を受けることとなり、名目上は病気の側室を見舞う形で香港に逃れました。そして1950年には、クレア・リー・シェンノートの助けを借りてアメリカに渡ります。最終的に、彼は1970年1月14日にロサンゼルスで生涯を閉じるまで、牧場を営む生活を送りました。

略年譜

• - 1923年 - 1926年: 寧夏新軍統領
• - 1926年 - 1930年: 国民連軍第4路軍司令官
• - 1930年: 国民革命軍第64路軍総指揮
• - 1930年 - 1931年: 国民革命軍第15路軍総指揮
• - 1932年 - 1949年: 寧夏省主席
• - 1938年 - 1941年: 第8戦区副司令長官、第17集団軍総司令、第168師師長
• - 1945年: 西北軍政副長官、西北行轅副主任

馬鴻逵は、複雑な時代における権力の移り変わりを生き延びた軍人であり、彼の戦歴や政治活動は中華民国時代の重要な一翼を担っていました。

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