駆動列

駆動列の解説

駆動列（くどうれつ）またはドライブトレインは、動力を発生させる機関から駆動輪へとその力を伝達するための構成要素の集合体です。このシステムには、エンジンや電動機（モーター）は含まれず、これらを区別するため「動力列（パワートレイン）」という用語が使われることがあります。動力列は、エンジンやモーターと併せて構成されることで、その動力を車両の前進に変換する重要な役割を果たしています。

駆動列の主要な機能

駆動列の基本的な機能は、動力を生み出すエンジンと、発生した力で車軸を回転させる駆動輪を接続することです。そのためには、物理的にこれらの要素を結びつけるプロペラシャフトやドライブシャフトが必要とされます。また、エンジンの速度と駆動輪の速度は異なるため、適切なギア比を設定しなければなりません。これにより、様々な車速に対応しながらエンジンは効率的に運転されています。このギア比を変更する手段としては、手動、オートマチック、または無段階変速が存在します。

駆動列の構成要素

実際の駆動列の構成は車両の種類やモデルによって異なります。以下にそれぞれのタイプに応じた主な構成要素を整理してみましょう。

1. マニュアルトランスミッション車

• - フライホイール
• - デュアルマスフライホイール（珍しい）
• - クラッチ
• - ギアボックス
• - オーバードライブ装置
• - プロペラシャフト
• - 後車輪軸
• - 最終駆動装置（ファイナルドライブ）
• - 差動装置（デフ）

2. オートマチックトランスミッション車

• - トルクコンバータ
• - 変速機（トランスミッション）
• - プロペラシャフト
• - 後車輪軸
• - バルブスプール
• - 差動装置（デフ）

3. 前輪駆動車

• - クラッチ
• - トランスアクスル
• - ギアボックス
• - 最終駆動装置
• - 差動装置（デフ）
• - 個々の車輪にドライブシャフトおよび等速ジョイント

4. 後輪駆動オフロード車

• - クラッチ
• - ギアボックス
• - トランスファー
• - トランスミッションブレーキ
• - フロントおよびリアへのプロペラシャフト
• - 前車輪軸および後車輪軸
• - 最終駆動装置
• - 差動固定装置（デフロック）

さらに、自転車やオートバイは少し異なり、例えばドライブスプロケット（自転車ではチェーンリング）、ローラーチェーン（単にチェーンとも呼ばれる）、ドリブンスプロケット（カセットやボスフリー、コグ、フリーギアなど）などに構成されます。

最終駆動装置について

駆動列において、最終駆動装置は駆動輪にトルクを供給するための最後の構成要素です。道路車両の場合、変速機からの動力を減速して伝達する役割を持つ最終ギア（最終減速歯車）と、左右に動力を配分するデファレンシャルギア（差動歯車）から成り立っています。

鉄道車両においては、逆転装置が含まれることもあり、いくつかのユニークな設計が利用されています。例えば、イギリス国鉄のディーゼル多目的ユニットなどに見られる特定の gears などがそれに当たります。

このように、駆動列は多様な構成要素から成り立ち、各種の車両でその特性や性能を大きく影響する重要なシステムです。

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