駒 (チェス)

チェスの駒について

チェスの駒（チェスピース）は、チェスをプレイする上で不可欠な用具であり、単に「ピース」とも呼ばれます。ただし、「チェスピース」という言葉は、文脈によってその対象範囲が異なるため注意が必要です。チェスの駒は、チェスボードと共にチェスセットを構成します。

駒の種類

チェスの駒は、その動きや価値によって以下の6種類に分類されます。各プレイヤーは、ゲーム開始時にこれらの駒を使用します。

• - キング (各1個)
• - クイーン (各1個)
• - ビショップ (各2個)
• - ナイト (各2個)
• - ルーク (各2個)
• - ポーン (各8個)

ポーンは、ゲーム中にプロモーションすることで、クイーン、ルーク、ビショップ、ナイトのいずれかに変化できます。このため、各プレイヤーは理論上、クイーンを最大9個、ルーク、ビショップ、ナイトを最大10個まで持つことができます。また、特殊な駒として「ナイトライダー」や「アマゾン」などのフェアリー駒も存在します。

通常、先手を「白」、後手を「黒」と呼び、それぞれの駒を識別するために異なる色が用いられます。標準的な「スタントン式」では、駒の形状は同じですが、黒の駒が白の駒よりも濃い色になっています。

駒の動き方

各駒は、それぞれ異なる動き方をします。

• - ルーク: 縦または横に、遮る駒がない限りいくつでも動けます。キャスリングにも使用されます。
• - ビショップ: 斜めに、遮る駒がない限りいくつでも動けます。
• - クイーン: 縦、横、斜めに、遮る駒がない限りいくつでも動けます。
• - キング: 全方向の隣接するマスに1マスずつ動けます。キャスリングにも使用されます。
• - ナイト: L字型（2マス進んでから垂直に1マス）に移動します。他の駒を飛び越えることができます。
• - ポーン: 前に1マス進めます。最初の移動時のみ2マス進むことも可能です。斜め前に敵の駒がある場合は、その駒を取ることができます。また、アンパッサンという特殊な動きもできます。

敵の駒があるマスに自分の駒を移動させることで、その駒を取ることができます。ポーン以外の駒は、敵の駒を取る際も通常と同じ動きをします。取られた駒は盤から取り除かれます。また、1つのマスには1つの駒しか置くことができません。キャスリングとナイトの動きを除いて、他の駒を飛び越えて移動することはできません。

「チェスピース」の範囲

「チェスピース」または「ピース」という用語は、文脈によって対象範囲が異なります。広義には、ポーンを含めた6種類全ての駒を指しますが、狭義にはポーンを除いた駒（クイーン、ビショップ、ルーク、ナイト）を指すことがあります。この場合、ポーンと狭義のピースをまとめて「チェスマン／チェスメン」と呼びます。また、狭義のピースは、その強さによって、クイーンとルークをメジャーピース（大駒）、ビショップとナイトをマイナーピース（小駒）と分類することもあります。

駒の価値

ゲームを有利に進めるためには、各駒の価値を理解することが重要です。チェスでは、ポーンを1点とした以下の点数が用いられます。

• - ポーン: 1点
• - ナイト: 3点
• - ビショップ: 3点
• - ルーク: 5点
• - クイーン: 9点

これらの点数を利用することで、盤上の戦力や駒交換の損得を計算できます。駒の損得は「マテリアル」と呼ばれ、駒得は「マテリアルアドバンテージ」と表現されます。ただし、駒の価値は盤上の位置関係によって変化するため、常に状況を評価する必要があります。

チェスセット

チェスの駒のデザインは多種多様で、装飾的なものから、特定のテーマに基づいたものまで存在します。実用的な駒としては、スタントン式のものが標準的です。駒の素材には、木材、プラスチック、骨、象牙、大理石などが用いられます。駒の底部には、盤を傷つけないようにフェルトが貼られていることが多いです。

標準的なキングの高さは85mmから105mm程度で、マス目の大きさはキングの底部の1.25倍から1.3倍程度が目安とされます。これらの基準は、米国チェス協会や国際チェス連盟のルールに基づいています。

その他の情報

• - 各文化圏での駒の名前: 日本語では英語由来の名称が使われていますが、世界各国では異なる名称が使われています。
• - コンピュータでの表示: コンピュータ上では、チェスの駒は二次元で表示されることが多いですが、伝統的な駒を模した三次元表示も可能です。
• - ユニコード: チェスの駒は、ユニコードに規定されています。

これらの情報を参考にして、チェスの駒に関する理解を深めてください。

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