高 (朝鮮人の姓)

高（コウ、コ、고）について

高（コウ、コ、朝: 고）は、朝鮮人の姓の一つです。2015年の国勢調査によると、韓国内には471,396人の高姓の人がいます。特に済州特別自治道では、金氏、李氏に次いで3番目に多い姓であり、41,935人が居住しています。

高氏の著名な人物

高氏は、歴史上の人物から現代の著名人まで、様々な分野で活躍する人物を輩出しています。

高寿: 古尓王時代の文臣。
高興: 百済の博士。
高達: 蓋鹵王から東城王時代の官僚。
漢高安茂: 百済の五経博士。
高分屋:聖明王代の文臣
高永喜: 李氏朝鮮末期から大韓帝国期の政治家。
高永根: 李氏朝鮮末期の武人。
高羲東: 韓国の画家、参議院議員。
高建: 韓国の政治家。元国務総理、ソウル市長、国会議員。
高銀: 韓国の詩人。
高容姫: 朝鮮民主主義人民共和国の指導者、金正恩の実母。
コ・アソン（高我星）: 韓国の女優。
コ・ス（高洙）: 韓国の俳優。
コ・ヒョンジョン（高賢廷）: 韓国の女優。

高氏の氏族

高氏の主な本貫は済州高氏であり、長興高氏、清州高氏、安東高氏はすべて済州高氏から分かれたものです。済州高氏は、済州梁氏・済州夫氏とともに、耽羅民族の開闢神話に登場する三神人の一人、高乙那を始祖としています。高乙那の子孫は45代にわたり耽羅君を世襲し、46代目の末老が高麗に入朝し、高氏の中始祖となりました。

また、高句麗の東明聖王の一族にも高氏がおり、現在の横城高氏は高句麗最後の王である宝蔵王の次男、仁勝の末裔であると考えられています。百済にも高氏という豪族が存在していました。百済人は、中国式の姓名に改名することなく、固有の言語名を使用していました。百済の高氏は、314年頃に高句麗が楽浪郡・帯方郡を滅ぼした後に、百済に帰順した楽浪郡の中国系豪族、楽浪高氏の末裔である可能性が高いとされています。継体天皇10年（516年）に倭国に派遣された百済の五経博士である漢高安茂の「漢」は、高安茂が漢人であることを示しているとされ、高寿、高興、高分屋も同様の可能性が指摘されています。北朝鮮にある楽浪古墳群から出土した漆器や、平壌貞柏洞古墳群から出土した銀印には高氏の名前が刻まれており、高氏の出自が楽浪郡・帯方郡にあることを示す資料となっています。

ただし、現代の朝鮮半島の高氏のほとんどは、耽羅に起源を持つ高氏です。

高氏は、朝鮮時代に合計77人の文科及第者を輩出しました。内訳は、長興高氏が29人、済州高氏が28人、開城高氏が8人です。

まとめ

高氏は、朝鮮半島において長い歴史を持つ姓であり、そのルーツは古代の耽羅、高句麗、百済にまで遡ることができます。様々な分野で活躍する著名人を輩出し、朝鮮の歴史と文化に深く根ざした一族であると言えるでしょう。

もう一度検索