高倉山 (伊勢市)

高倉山について

高倉山は、三重県伊勢市に位置し、伊勢神宮外宮の敷地内に広がる山域の総称です。この山域は、高佐山、日鷲山、賀利佐我峰、佐貫山、音無山など、複数の山々から構成されています。中でも標高117mと最も高い日鷲山（北緯34度28分55秒、東経136度41分57秒）が、一般的に高倉山と呼ばれることが多いです。国土地理院の地図上でも、日鷲山の山頂が高倉山として示されています。

名称の由来

高倉山は、古くは高賀佐山や高坐山と呼ばれていました。しかし、「坐」の字が「くら」と誤読されたことから、現在の「高倉山」という名称になったと伝えられています。

歴史

かつて高倉山は、神宮式年遷宮の用材を供給する御杣山（みそまやま）として重要な役割を果たしていました。しかし、ヒノキの枯渇により、御杣山は木曾谷など他の場所へと移されました。大正末期からは、神路山・島路山とともに高倉山でヒノキの植林が行われ、2125年頃には遷宮に使用できる見込みです。

山林保護のため、昭和50年代から高倉山への入山は禁止されています。現在では、その豊かな自然と歴史的な背景を静かに守り続けています。

高倉山古墳

高倉山の山頂には、古墳時代後期に築造された円墳、高倉山古墳があります。墳丘の直径は32m、高さは8mと、円墳としては比較的規模が大きいものです。しかし、墳丘の規模に比べ、内部の横穴式石室は全長18.5m、高さ4.1mと、やや特異な形状をしています。

石室は両袖型で、玄室は長さ9.7メートル、幅3.3メートル、高さ4.1メートルです。この古墳は鎌倉時代には盗掘されたと考えられていますが、室町時代末期から江戸時代末期にかけては、天岩戸として崇められ、参拝の対象となっていました。

当初、高倉山古墳は7世紀に造られたと考えられていましたが、1975年の発掘調査の結果、6世紀中ごろに造られた古墳であることが判明しました。この調査では、須恵器、土師器、馬具、鉄刀、刀子、玉類など、多くの貴重な遺物が出土しています。

現在、高倉山は入山禁止のため、古墳を直接見学することはできません。

関連情報

伊勢神宮
日本の古墳一覧
* 三重県伊勢市 高倉山古墳

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