高力隆長

高力隆長

高力隆長（こうりき たかなが）は、江戸時代前期の大名で、肥前国島原藩の2代藩主。官位は従五位下・左近大夫。島原藩高力家の3代目にあたります。

生涯

高力隆長は、初代藩主・高力忠房の長男として生まれました。元和5年（1619年）には、2代将軍・徳川秀忠に拝謁しています。明暦元年（1655年）、父・忠房の死去により家督を相続し、島原藩主となりました。

しかし、隆長は政治への関心が薄く、藩の財政再建のために領民に過酷な税を課しました。これが領民の不満を買い、ついに訴えが起こされる事態となります。寛文8年（1668年）、幕府は隆長の悪政を重く見て改易を決定。隆長は領地を没収され、島原城を松浦重信、小笠原長勝らに明け渡すこととなりました。その後、隆長は仙台城に幽閉され、仙台藩から扶助料として1000俵が与えられました。

隆長の弟・政房は、3000石を与えられて出羽国に移封されています。また、嫡男・忠弘は下総国の匝瑳郡、海上郡に3000石を与えられ、家督を継ぎ、子孫は旗本として存続しました。

系譜

父：高力忠房（1584-1656）
母：まん - 真田信之娘
正室：永井尚政娘
次男：高力忠弘（1648-1696）
三男：高力秀長
女子：阿野実藤（季信）室
* 女子：木下利値継室

高力隆長は、藩主としての資質を問われ、領民からの信頼を失ったことで改易という厳しい処分を受けました。しかし、その血筋は弟や息子によって受け継がれ、大名家としては断絶したものの、旗本として幕府に仕え続けることとなりました。

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