永井尚政

永井尚政

永井尚政は、江戸時代前期に活躍した大名です。上総国潤井戸藩主、下総国古河藩2代藩主、そして山城国淀藩初代藩主を務めました。永井家宗家の2代目であり、その生涯は徳川幕府の初期を支えた重要な人物の一人として知られています。

生涯

永井尚政は、慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いに従軍し、その武功を認められ、慶長7年（1602年）には徳川秀忠付きの小姓となりました。慶長10年（1605年）には信濃守に任官し、このときから「信濃町」という地名が、彼の下屋敷があったことに由来して名付けられました。大坂の陣においても武功を挙げ、御小姓番頭に任じられるなど、幕府内での地位を確立しました。元和5年（1619年）には上総潤井戸に1万5000石を領する大名に昇進し、元和8年（1622年）には老中に選ばれるなど、幕府の要職を歴任しました。

寛永3年（1626年）には、父・直勝の死去に伴い、家督と下総古河8万9000石を相続しました。寛永9年（1632年）に徳川秀忠が亡くなると、その廟を増上寺に建立する際の監督官を務めました。寛永10年（1633年）には老中職を解任され、山城淀藩10万石へ加増移封となり、その後は京都所司代と協力して京都や大坂の治安維持に尽力しました。寛永年間の飢饉の際には領民の救済にあたり、島原の乱では京都の守備を命じられました。さらに、江戸城の普請や禁裏における普請にも貢献し、その功績が認められて正保元年（1644年）に従四位下に叙せられました。明暦4年（1658年）に致仕し、入道して信斎と号しました。

寛文8年（1668年）に82歳で亡くなるまで、永井尚政は政治家、武将としてだけでなく、文化人としてもその名を残しました。

人物

永井尚政は、茶の湯を深く愛した茶人としても知られています。

系譜

父母

父：永井直勝
母：阿部正勝の娘

正室

内藤清成の娘

子女

永井尚征（長男） - 生母は正室
永井尚庸（三男） - 生母は正室
永井尚保
永井直右
永井尚春
永井尚申
永井尚盛（八男）
永井長子 - 立花忠茂正室
高力隆長正室
松平憲良正室 - のち松平康尚正室
松平定政正室
森長俊正室 - のち大沢基躬室
米津田盛正室
上林重胤室
小浜広隆正室
日向政成の後室（永井尚政の娘とされる）

参考文献

深谷信子『永井尚政　数寄に通じた幕府の重鎮』、宮帯出版社、2017年。ISBN 978-4-8016-0124-6。

関連項目

* 甲州流軍学

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