高口恭行

高口恭行

高口恭行（たかぐち やすゆき、僧侶としてはきょうぎょう、1940年6月13日 - ）は、大阪にある浄土宗寺院、一心寺の長老であり、かつては大阪を代表する建築家の一人でした。現在は引退されています。工学博士の学位を持ち、元奈良女子大学家政学部教授でもあります。高口氏の家族もまた、各分野で活躍しています。

プロフィール

1940年6月13日、兵庫県神戸市に生まれる。
母方の祖父は、大倉酒造研究所（現：月桂冠総合研究所）の初代所長を務めた濱崎秀。
父親の仕事の関係で、5歳までを上海で過ごし、終戦後に日本へ引き揚げ。
甲陽学院中学校・高等学校を卒業。
1963年、京都大学工学部建築学科を卒業。西山卯三研究室に所属。
1966年、京都大学助手、1975年、奈良女子大学家政学部住居学科助教授に就任。1987年、同学部教授。
1980年より設計事務所、造家建築研究所を主宰。
2003年、関西建築家大賞を受賞。

建築作品および活動

高口恭行氏は、数々の建築作品を手がけています。以下に代表的なものを挙げます。

一心寺信徒会館 日想殿 (1977)
一心寺庫裏 望無亭 (1977)
山添村コミュニティ装置S1，Y1，Y2 (1981)
枚方の町家 竹尾医院 (1982)
一心寺単信庵 (1984)
専念寺本堂 (1984)
得生寺本堂 (1984)
妙香院 (1985)
百万遍知恩寺宝物館 (1987)
西山短期大学図書館 (1988)
小栗栖西方寺 (1990)
一心寺念佛堂 (1993)
小松幼稚園講堂 (1995)
一心寺仁王門 (1997)
應典院 (1997)
一心寺三千仏堂 (2002)
一心寺シアター「倶楽」 (2002)

特に、一心寺における建築群は、高口氏の代表作として知られています。2002年には、境内隣接地に一心寺シアター倶楽を開設。この劇場は、関西の小演劇界でよく知られた存在です。「倶楽」以前には、青果市場の建物を改装した一心寺シアターがありました。一心寺シアター倶楽は地下に位置し、地上部は一心寺三千仏堂となっています。

著作

高口恭行氏は、建築に関する著作も発表しています。

ガラスの屋根 －エッセイ「都市の縁起」(新風書房)
建築 －私との出会い2－（共著、彰国社）
第三の建築家（真鍋恒博との共著、彰国社）
都市の生活空間―フィールドノート（上田篤らとの共著、日本放送出版協会）

高口氏の著作は、建築に対する深い考察と、都市空間への愛情が込められています。

家族

長男は現住職の高口恭典（元獣医）。
次男は早稲田大学教授の高口洋人。
三男は俳優の高口真寤。

高口恭行氏の息子たちも、それぞれの分野で才能を発揮しています。

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