高城俊男

高城 俊男（たかじょう としお）

高城俊男（1916年 - 1997年）は、昭和から平成にかけて活動した日本の著名な作詞家です。彼の俳号は渓水（けいすい）で、特に鹿児島県に深い関わりを持ち、その地元愛を反映した歌詞を多く残しました。

幼少期と教育

高城は1916年、大正5年に鹿児島県鹿児島郡伊敷村の農家に生まれました。彼は長男として育ち、地元の鹿児島工業学校へ進学しました。学生時代は漫画家を志していたものの、卒業後に上京し、田河水泡のもとでアシスタントとしてしばらく活動します。しかし、実家からの呼び戻しにより、漫画の道を断念し、教員としての道を選びました。

作詞家としてのスタート

1950年になり、高城は公募展で入選したことをきっかけに、本格的な作詞家としてのキャリアをスタートさせました。その後、1972年には鹿児島市民歌の公募において入選します。この作品は、彼の名を広める一助となりました。生涯で約140曲もの曲に詞を提供し、地域の歌文化を支えました。特に、鹿児島県内の公立中学校の校歌を16曲手がけ、地元の教育現場にも大きな影響を与えました。

代表作とその影響

高城の作品の中でも特に有名なものは、「西郷音頭」です。この作品は、久保浩の歌唱により、東宝レコードからシングル盤としてリリースされ、多くの人々に親しまれました。また、他の音頭作品として「出水音頭」や「小山田音頭」もあり、地域の伝統や文化を深く掘り下げた内容が評価されています。

以下は彼が作詞した主な作品のリストです：

• - 鹿児島市民歌（作曲：中田喜直）
• - 西郷音頭（作曲：土肥寛展）
• - 出水音頭
• - 小山田音頭
• - 校歌

特に校歌の分野では、以下の学校の校歌に携わっています：

• - 鹿児島市立長田中学校
• - 鹿児島市立河頭中学校
• - 鹿児島市立桜島中学校
• - 鹿児島市立和田中学校
• - 鹿児島市立緑丘中学校
• - 出水市立出水中学校
• - 笠岡市矢掛町中学校組合立小北中学校（岡山県）
• - 鹿児島市立牟礼岡小学校
• - 南九州市立中福良小学校

これらの作品は、地元の教育や文化活動において大きな役割を果たしています。高城の歌詞には、地域への思いやりが込められており、鹿児島の人々に深い感動を与え続けてきました。

晩年と遺産

1997年、他界時の享年82歳となった高城は、胃癌と闘いながらも創作活動を続けていました。彼の遺作は、指宿市立指宿商業高等学校の創立50周年記念歌です。この歌は、彼の思いが詰まった作品として、多くの人に評価されています。葬儀当日には表彰式も行われ、彼の功績が改めて称えられました。

高城俊男は、作詞家としての多くの業績を残しつつ、鹿児島の文化に深く根ざした存在となりました。彼の歌詞は、今後も世代を超えて歌い継がれていくことでしょう。

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