高城胤則

高城胤則（たかぎ たねのり）

高城胤則は、元亀2年（1571年）に生まれ、慶長8年（1603年）に33歳でこの世を去った戦国時代から安土桃山時代にかけての武将です。千葉氏、そして北条氏の家臣として、下総国小金城（現在の千葉県松戸市）を拠点に活動しました。

幼名は龍千世、通称を源次郎といいました。父は高城胤辰、妻は柴田勝家の養女で、実父は賤ヶ岳の戦いで勝家に殉じた中村文荷斎とされています。

12歳で父が亡くなったため、小金城主を継ぎましたが、1585年に主君である千葉邦胤が家臣に殺害されるという事件が起こります。その後、千葉氏の家督は、邦胤の娘婿である千葉直重（北条氏政の七男）が継承し、幼い嫡男の重胤は小田原城で人質生活を送ることになりました。これにより、事実上、千葉氏は北条氏に掌握されることとなり、胤則も北条氏の家臣として行動するようになりました。

1584年には、船橋大神宮からの要請を受け、個別徳政を認める一方で、下総水海領の簗田氏が勝手に徳政令を発令した際には、高城領の住民が被害を受けたとして、北条氏に介入を要請しています。1587年には、北条氏政の命により、多賀谷重経に攻められた岡見宗治の救援に派遣され、北条氏の重臣である遠山直景と並ぶ、対常総戦線の中核を担う存在であったと考えられています。

その後、賤ヶ岳の戦いで敗北し、北条氏を頼ってきた佐久間安政（柴田勝家の甥）と親交を深め、安政と同伴していた柴田勝家の養女を妻に迎えました。

1590年、豊臣秀吉による小田原征伐が開始されると、胤則も家臣の一部を小金城に残し、小田原城に籠城しました。しかし、豊臣軍の圧倒的な兵力を前に、叔父である胤政を失うなど大きな打撃を受け、密かに本国へ使者を送り、小金城の明け渡しを指示しました。これを受けて、小金城の将兵は豊臣軍の浅野長政に降伏し、小金城は陥落しました。その後、北条氏も降伏し、胤則は蒲生氏郷に預けられ、その所領があった信濃国に移されることとなります。

胤則は、その後も家名再興の機会を窺っていましたが、生来病弱であったため、度々の機会を逃し、その夢は叶いませんでした。江戸幕府が成立すると、叔父の照誉了学や親友である佐久間安政が徳川家康から厚い信頼を得ていたことを頼りに、再度、家名再興の工作を進めました。しかし、その実現直前に病に倒れ、伏見城下で33歳という若さで生涯を終えることとなりました。しかし、後に嫡男の高城胤重が元服後、徳川家康に召し抱えられ、旗本として取り立てられています。

関連項目

* 小金城

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