高塚南海

高塚南海（たかつか みなみ）

滋賀県湖南市出身の元女子野球選手、高塚南海は、外野手として日本女子プロ野球機構（JWBL）や阪神タイガース Womenで活躍しました。右投げ右打ちのパワフルな打撃でファンを魅了した一方で、そのプレースタイルゆえの記録も多く刻んでいます。

経歴

野球を始めたのは小学3年生の時。兄の影響でバットを握り、京都両洋高等学校へと進みました。卒業後の2014年9月、日本女子プロ野球リーグの中部地区入団テストに合格し、プロへの扉を開きます。

2015年、育成型の東北レイアに入団。プロ1年目は9試合の出場にとどまり、打率も.192と苦しいスタートでした。オフシーズンに打撃強化に励み、2年目の2016年には登録名を「みなみ」に変更。新たな気持ちでシーズンに臨みました。

大きな転機となったのは2017年。兵庫ディオーネへ移籍すると、出場機会が大幅に増加。45試合に出場し、打率.331、プロ初を含む3本塁打と飛躍的な成績を残します。この活躍が評価され、シーズンオフの「コンベンション2017」では最優秀新人賞を受賞。さらに、ベストナイン（指名打者部門）にも選ばれ、リーグを代表する選手の一人となりました。

2018年には京都フローラに所属。4月18日の愛知ディオーネ戦では、女子プロ野球リーグ史上初となる2打席連続本塁打という快挙を達成します。この年の本塁打数が評価され本塁打賞を獲得しましたが、打率は規定打席到達者の中で最下位の.223に終わり、三振数も女子プロ野球記録を更新する36個を喫するなど、好不調の波が激しいシーズンとなりました。

2019年からは埼玉アストライアに移籍。この年も全66試合に出場しましたが、打撃不振に苦しみ、終盤には代打を送られる場面も増えました。本塁打はなく、打率・出塁率ともに規定打席到達者の中で最下位。一方で、三振数と三振率は自身の持つ女子プロ野球記録を再び更新し、シーズン最多となる44三振を記録しました。これは安打数をも上回る数字です。

JWBLでの最終年となった2020年は、コロナ禍で試合数が減少したものの、7月1日の試合で2年ぶりとなる本塁打を放ちました。しかし、この年も最多三振を記録し、JWBLでは2017年から4年連続で最多三振・最高三振率という記録を残して退団しました。

阪神タイガース Womenへ、そして引退

JWBL退団後、高塚選手は新たな挑戦を選びます。2021年から活動を開始した女子硬式クラブチーム、阪神タイガース Womenに入団。プロ時代の登録名「みなみ」から本名の「高塚南海」に戻し、再出発を図りました。さらに、球団の事業本部振興部に配属され、タイガースアカデミーの専属コーチも兼任するという、選手と球団職員の二足のわらじを履くことになりました。しかし、球団職員としての活動は2021年12月31日付で終了しました。

阪神タイガース Womenでの選手生活は2シーズン続き、2022年11月13日のシーズン最終戦をもって、現役からの引退を発表しました。

プレースタイルと人物像

高塚選手の最大の魅力は、長打力を生み出す豪快なフルスイングでした。ファンからは「フルスイングの女王」とも呼ばれ、その思い切りの良い打撃は見る者を惹きつけました。一方で、その積極性が故に空振りや三振が多いのも特徴でした。特にJWBL時代には、2017年から4年連続で最多三振、最高三振率を記録するなど、数多くの三振関連記録を保持しています。通算三振率.236は、他の多くの選手が1割台前半以下であることを考えると、彼女のプレースタイルの特異性をよく示しています。

野球選手としての実力だけでなく、その明るいキャラクターも人気でした。JWBLが実施した「美女9総選挙」では上位にランクイン。東北レイアや埼玉アストライアでチームメイトだった前田桜茄選手との身長差から生まれた「凸凹コンビ」としても知られ、チームメイトとの良好な関係もうかがえます。

引退後の人生

現役引退後の2022年2月14日には、一般男性との結婚を発表。新たな人生のステージに進みました。さらに、2023年8月22日には第一子となる女児の出産を、2024年9月18日には第二子となる女児の出産を報告しており、現在は二児の母として子育てに奮闘しています。プロ野球選手として個性的な輝きを放った高塚南海は、引退後も順調に人生の新たな局面を歩んでいます。

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