高季興

高季興（こう きこう）は、五代十国時代に荊南を建国した初代の王です。

生涯

高季興は、陝州硤石県（現在の河南省三門峡市陝州区）で生まれました。その出自は明らかではありませんが、若い頃に汴州の商人である李七郎（朱友譲）の家僕として仕えたとされています。李七郎は高季興の才能を見抜き、仮子として迎えました。これにより、高季興は朱全忠の勢力下に入ることとなります。

その後、李七郎の仮父である朱全忠の軍に身を投じ、その信任を得て副将として各地を転戦しました。朱全忠が唐を滅ぼし後梁を建てると、高季興は荊南節度使に任命され、湖南地方の復興に尽力しました。この頃、戦乱で荒廃した湖南を再建しつつ、次第に勢力を拡大。事実上、後梁から半独立した荊南という国家を築き上げました。

後梁の初代皇帝である朱全忠が崩御すると、高季興は荊州（江陵）・帰州・硤州の三州を拠点に自立しますが、後梁の末帝が即位すると再び後梁に帰順し、渤海王に封じられます。しかし、後梁が後唐によって滅ぼされると、高季興は後唐に服属し、南平王に封ぜられました。この時、名前を季昌から季興に改めたのは、後唐の皇帝である荘宗の祖父、李国昌の諱を避けたためです。

しかし、後唐による前蜀への侵攻の際、高季興は自身の勢力を蜀に拡大するという構想が阻まれたと感じ、後唐との関係を断絶しました。その後、呉に服属し、秦王に封ぜられます。高季興は、常に変化する情勢を見極め、その都度、自身の立場を有利に変える卓越した政治手腕を発揮しました。

高季興は乾貞2年（928年）に71歳で亡くなりました。後を継いだのは、長男の高従誨です。

家族

高季興には、複数の男子と一人の女子がいました。

男子
高従誨（文献王）
高従詡
高従詵
高従譲
高従謙

女子
高氏（倪可福の子の倪知進に嫁いだ）

高季興は、激動の時代を生き抜き、荊南という小国を築き上げた人物として歴史に名を残しています。

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